法事に施主が準備すること 進め方や挨拶の言葉と僧侶へのお布施は?

法事を行う際に施主が準備すること、進め方や皆さんの前でどんな挨拶をしたらいいのかをお伝えし、気になる僧侶へのお布施についてもあわせて紹介します。

お葬式が終わった後も法事(四十九日・一周忌・三回忌・・・)は定期的に行うことになります。
出来る限りわからないことへの不安を取りのぞきましょう。

法事を行う際に施主が準備すること

施主(せしゅ)って聞きなれない言葉ですよね。
通常の生活中で出てくることはほとんどありません。

それもそのはず誰もが施主になるとは限らないですからね。

施主とは、法事をとり行う主催者のことを言います。

一般的に法事をとり行う施主は、葬儀の喪主を務めた人あるいは故人に一番親しい人がなります。

法事はこの施主が中心となって、ほとんどの人が次のような時期から準備を始めます。
■四十九日の場合 (葬儀が終わって直ぐに)
■一周忌・三回忌の場合 (2ヶ月くらい前から)

法事の2ヶ月くらい前に準備すること

四十九日の場合は、葬儀が終わって直ぐに準備を始めましょう。
決める事、やる事がびっくりするほど多いので、漏れのないように準備をすすめて行きましょうね。

それでは施主が法事を行う際の準備のポイントをしっかり確認しましょう。

●法事を行う場所(お寺・自宅・墓前)と日程を決める
忌日(きにち)当日に法事が出来ない場合は、忌日より早目の土曜日や日曜日などの招待客が集まりやすい日が良いでしょう。

 ⇒ 法要や法事の日程決め 友引でも大丈夫?いつまでやるの?

【忌日(きにち)とは】
またまた聞きなれない言葉ですが忌む(いむ)べき日のことで、故人の死亡した日です。
命日とも言いますね。

●法事の日程を決めてお寺へ連絡する
当日慌てないよう住職に費用についてしっかり確認しましょう。
・お布施
・卒塔婆料 など

【私の場合】
先日父の33回忌を済ませたのですが、お布施と卒塔婆の他にお膳料が必要と言われ用意しましたよ。

●会食をする会場選び
法事当日に会食する会場会館・レストラン・ホテルなど)は招待客の人数を考えてを選びましょう。

●引き物を決める

●招待客のリストの作成
法事に招待する範囲を決定し招待客のリストを作成しましょう。

●献杯をお願いする人を決める
会食のときに献杯をお願いする人を決めて打診しておきましょう。

●法事の案内状を作成する
案内状は郵送するのが一般的ですが、近しい親戚のみで少人数の場合は電話連絡だけでもOKです。

●石材店に手配を依頼する
法事当日にお墓に納骨する場合は、石材店に手配を依頼しましょう。
墓石に戒名を彫刻する場合、3週間程度の期間が必要の場合があるので気をつけましょうね。

法事の1ヶ月くらい前に準備すること

四十九日の場合は、葬儀が終わって直ぐに準備を始めましょう

●案内状の送付
出席・欠席の返事は2週間くらい前に届く様にお願いしましょう。

近しい親戚のみで少人数で行う際に電話連絡だけで済ませる場合でも、会食時の料理や引き物の数を関係先に知らせる必要があるので、出席・欠席の返事は2週間くらい前に欲しいですよね。

●会食時の料理や引き物の数を関係先に連絡
出欠の返事を見ながら出席人数を確認し、料理の数や引き物の数などを関係先に連絡しましょう。

この時、料理の人数は何日前までなら変更出来るのか必ず確認しておきましょう。
中には後日、都合が悪くなったと連絡が入ることもまれにありますからね。

●お寺から会食場所への移動方法や最終人数の再確認
会食場所に送迎バスがあるかどうか、または送迎バスを手配する必要があるかどうかの確認が必要です。

●墓地や墓石の掃除
お経の後でお墓参りをするので、事前に墓地や墓石の掃除をしておきましょう。

法事前日にすること

●法要会場(お寺)に持参する物のチェック
僧侶へのお布施・お供物・お花・位牌・遺影写真・引き物・お墓参りに使用する道具一式など忘れ物はないか確認しておきましょう。

法要当日にすること

●早めに会場に行ってお客様の到着を待つ
前日にチェックした僧侶へのお布施・お供物・お花・位牌・遺影写真・引き物・お墓参りに使用する道具一式などを忘れないで持参しましょう。

法事の進め方と挨拶の言葉

出席者一同が着席したら僧侶による読経が始まります。

【法要は僧侶の指示を仰ぐ】
僧侶の指示で出席者全員がお焼香をすませて、その後僧侶の法話を聞き、施主が僧侶へ挨拶をして法要は終了になります。

この後、出席者一同でお墓参りをしましょう。

法要が終了したら最後に必ず会食を行います。
当日はこれからが施主の出番となりますよ。

この会食のことを「お斎(おとき)」と呼び、会食には僧侶を招いて正客とします。

会食中の流れ

会食は故人を偲んで、出席してくださった方々と親交を深めるいい機会ですよ。
会食中はただ単に食事をするだけでなく、あらかじめ次のような簡単なプログラムを組んでおくのがいいでしょう。

1.施主の挨拶
施主の挨拶で会食が始まります。

【施主の挨拶例】
本日はご多忙の中を、亡き〇〇の一周忌にご出席いただきましてありがとうございます。
ご列席の皆さまに、遺族を代表しまして厚く御礼申し上げます。

故人もさぞ喜んでいることでございましょう。
粗餐ではございますが、〇〇の生前同様お酒なども充分めしあがっていただきますよう、お礼に添えてお願い申しあげます。

※このとき、施主は遺族たちの近況を織り交ぜながら挨拶をすると尚良いでしょう。

2. 施主の挨拶の後、献杯をお願いしていた人(代表者)に「献杯の音頭」をとってもらい食事開始
献杯のときには拍手を控えるのがマナーです。

【施主の挨拶例】
それでは◯◯さま、献杯をお願いいたします。

3. 食事をしながら歓談している間に施主は出席者の席を回りお酌をしながお礼の挨拶

4. 食事が終わる頃を見計らって施主が挨拶をし最後に引き出物を渡して法事は終わり
【施主の挨拶例】
皆さま、本日はご多忙のなかを最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。
まだまだ皆さまのお話をお聞きしたいところではございますが、そろそろお時間となりましたのでこれにてお開きにさせていただきたいと存じます。
これからも変わらぬお付き合いのほどよろしくお願いします。
本日は誠にありがとうございました。

法事に施主から僧侶に渡すお礼のお布施は?

僧侶へのお礼はお経料として「お布施」を用意して法要が始まる前に渡しましょう。

●お布施の金額はお寺に確認
お布施の相場は一般的に、30,000円~50,000円とも言われていますが、法要の規模や参加人数、お寺によっても違うので、お布施の金額は法事の日程をお寺に連絡する時に、しっかり金額を確認するのが良いでしょう。

ただ、お寺から金額を提示されず「お気持ちで・・・」と言われる場合もあるようです。
いくら包めばよいか困ってしまいますよね。
そのような場合は、相場を参考にしましょう。

【僧侶が会食に出席できない場合】
法要後の会食には僧侶を招いて正客としますが、僧侶が会食に出席できない場合もあります。

その場合は、「御膳料」として5,000円~10,000円程度をお布施とは別に包みお渡しします。

■お布施は黒白または銀色の水引の不祝儀袋で
地域によっては黄色と白の水引の不祝儀袋を使用します。

■卒塔婆料・御膳料などは水引が印刷された不祝儀袋か白い封筒で

お金を入れる袋の表書きは薄墨ではなく普通の墨ではっきりと書きます。

まとめ

施主になると、法事の2ヶ月前くらいから準備をすることになり大変です。
しかし、人として一回り大きくなれる良いチャンスなのでやり切りましょう。

施主は法事当日は大変忙しくゆっくり挨拶を考えている時間はありません。
事前にしっかり挨拶文はまとめておきましょう。

ただ、忘れたら困るからといって、紙に書いたもの読み上げるのは参列者の方々に失礼にあたります。
本来、法事に絶対的な決まりないのですから、例文などを参考に出席者の方々に感謝の気持ちを表せば大丈夫です。

 ⇒ 数珠は告別式や法事に必要?持ち方選び方と色や種類の決まりは?

マナーも確認しておきたいですね。