初詣 神社とお寺の違いは?参拝場所の選び方と参拝方法

初詣先となる神社とお寺の違いと、参拝場所の選び方やそれぞれの参拝方法についてお伝えします。

日本には神道と仏教が共存しています。
だから、神社とお寺どっちへ参拝したらご利益があるのか迷っている人は意外に多いんですよね。

初詣の参拝 神社とお寺との違いは?

日本人にとって新年に初詣は欠かせないものになっていますよね。
初詣には是非ご利益のある所に行きたいと誰もが思うことでしょう。

そこで迷うのが、神社とお寺のどっちに参拝するのがいいのかな・・・ですよね。

どのような違いがあるのか確認しておきましょう。

神道(しんとう)と仏教(ぶっきょう)

神社は神道(しんとう)、お寺は仏教(ぶっきょう)です。

●神社は神道
神社は神様を奉っている所です。
例えば天照大御神とか天常立尊などですね。

また、神社には「鳥居」がありますよね。
神社の鳥居は結界を表しているんです。
神々の住む聖域と人間の世界を分ける象徴なのです。

神は自然(木や滝など)に宿るという考え方から、仏像への崇拝がないので神社には仏像はないとのことです。

●お寺は仏教
お寺は仏様を祀っている所です。
例えば観音菩薩とか阿弥陀如来などですね。

また、お寺には「仏像」があります。(中には仏像がないお寺もある)

【除夜の鐘はお寺でつく】
大晦日の深夜に除夜の鐘はつきものです。
除夜の鐘を聞きながら初詣に向かう人も多いでしょうね。

この除夜の鐘は神社では聞くことができません。
除夜の鐘をついて「ゴーン」と鳴らすのはお寺なんです。

 ⇒ 除夜の鐘をつく意味と108の煩悩とは?回数の複数説も紹介

だから、除夜の鐘がついてみたいとか、除夜の鐘を聞きながら参拝したいという人は、参拝場所を間違えないようにしましょうね。

初詣の参拝場所の選び方

神社とお寺の違いが分かったところで、「初詣は神社とお寺どっちがいいの? 両方行ってもいいの?」と迷ってしまう人もまだまだいますよね。

結論をいってしまうと、初詣は「神社でもお寺でもどっちでもOK。」なんです。
だから新年早々迷ったりしないでくださいね!

日本には神道と仏教が共存しています。
今は神社とお寺は別のものとなっていますが、元々は神様も仏様も同じとされ神社仏閣は一緒のものだったので気にする必要はないのです。
信仰上の理由でもない限り、参拝場所は自由に決めて好きな方にお詣りに行ってかまいません。

江戸末期には恵方参りといって、その年の縁起の良い方角にある神社や寺院にお詣りに行っていたそうです。
明治以降に「神仏分離」ということで神社や寺院が明確に区別されるようになりますが、それまでの自由に参拝場所を選ぶという習慣はそのまま残ったのです。

【内宮の宮司に伺ったところ】
このことで筆者は、一般には参賀できない内宮の宮司にどちらに参拝に行くのがいいのか伺ったことがあります。
宮司だから神社というのかと思っていたら、
「神であれ、仏であれ、作法は違っても行き着くところは同じですよ。」
もちろん神社とお寺の両方へお詣りに行って大丈夫ですよ。
という教えを受けました。

さすが宮司ともなると心が広いなあ、と感じたのですが、
「要は心の問題」
ということですよね。

生きているのか、生かされているのか、などといった哲学的なことは置いておいて、
「感謝を忘れずに」、ということでしょうか。

ただ、有名な神社やお寺のほうがご利益が大きいのではないかと思われがちですが、神社の信仰は神社がある各地域を基盤としているので、まずは地域の氏神(家の近くの神社)にお参りし、有名な神社仏閣に詣でたいなら、その後に行くのが良いようです。

お寺も菩提寺(自分の家が檀家となっている寺)があるならまずそこに詣でるのが良いようです。

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おみくじの作法を知っていますか?
参考にしてください。

初詣 神社とお寺それぞれの参拝方法

神社やお寺にお参りして拝むことを参拝(さんぱい)や参詣(さんけい)と言います。
神社とお寺とでは参拝の仕方は違うので、それぞれの参拝方法について紹介しますね。

参拝・参詣する前に確認しておきましょうね。

神社の参拝方法

参拝の基本は「二礼 二拍手 一礼」です。
「二拝 二拍手 一拝」とも言いますよ。

※拍手(はくしゅ)とは
「かしわで」とも呼び、鈴と同じように邪気を祓う意味があり、神さまを呼び出すためのものです。

■出雲大社・宇佐八幡の場合
出雲大社・宇佐八幡の場合は、「二礼 四拍手 一礼」なのでおぼえておきましょう。

■神宮(伊勢神宮のことです。)
神宮では、さらに違ったものとなるようですが、一般にお参りする場合は「二礼 二拍手 一礼」で良いとのことです。

【参拝順序】
それでは、参拝順序を確認していきましょう。

1. 鳥居をくぐります
鳥居をくぐる時に道の真ん中を歩くのはNGですよ。
中央は神様が歩くところです。

2. 手水舎(ちょうずや・てみずや)で身を清めます
(1)神社の境内にある神社参拝者が身を清めるための施設に行き、まず右手で柄杓(ひしゃく)を持って左手を洗い清めます。
(2)柄杓を左手に持ち替えて右手を清めます。
(3)再び右手に持ち替えて左のひらで水を受けて口をすすぎます。(柄杓に口を付けることはNGです。)
(4)その左の手のひらを清めます。
(5)最後に柄杓を縦にして自分が持った柄の部分に水を流し、元の位置に戻しましょう。

この一連の動作がひしゃく一杯でできなくてもかまいません。
ひしゃくの水が足りないときはもう一回すくいましょう。

ただ、大勢の人が使うのでものなのでひしゃくに「口をつけない」ひしゃくに残った水を「戻さない」などマナーには気をつけましょうね。

3. 参拝します
(1)神前に進み姿勢を正します。
(2)お賽銭を賽銭箱に入れます。

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縁起を担ぐお賽銭が気になる人は参考にしてくださいね。

(3)鈴を鳴らします。
(4)もう一度姿勢を正します。
(5)「二礼 二拍手 一礼」の作法で拝礼を行います。
・90度の礼で、2回お辞儀(二礼)をします。
・胸の前で2回拍手(二拍手)をします。
・合掌して祈願します。
・最後にもう一度90度の礼で深くお辞儀(一礼)をします。

お寺の参拝方法

お寺ではパンパンと拍手はうちません。
手を合わせ合掌するだけです。

【参拝順序】
それでは、参拝順序を確認していきましょう。

1. 山門の前で一礼します
参道では神社と同じく真ん中を歩くのはNG、道の端の方を歩きましょう。

2. 手水舎で身を清めます
やり方は神社と同じです。

3. お線香を上げます
本堂の手前にお線香焚き場がある場合はお線香をたきましょう。

4. 参拝します
(1)本堂に進み軽く頭を下げます。
(2)お賽銭を賽銭箱に入れます。
(3)鈴を鳴らします。
(4)合掌して祈願します。
(5)軽く頭を下げてその場を離れます。

拍手は打たないという事を覚えておきましょう。

合掌して祈願する際の願のかけ方

合掌して祈願するとき、どのようにお願いしたら良いのか紹介しますね。

願い事がある場合は、必ず「自分の名前と住んでいる住所」を申し述べてから参拝できることを感謝してから願い事を伝えましょう。
ただし初詣の時は大変混み合うので、拝殿の前を長い時間占有するのは大変迷惑ですから、心の中で短かめに念じさせていただきましょう。

参拝が終ったら

初詣の帰り道は寄り道をしないでまっすぐ帰るのが良いといわれています。
途中で寄り道をしてしまうと、せっかくいただいた福を落としてしまうそうですよ。

ただし、初詣のはしごはOKとのことです。
初詣のはしごはご利益が重なるとのことで縁起が良いのです。

まとめ

初詣の参拝は、神社とお寺のどちらでもよく、両方参拝してもご利益はあります。
参拝の時、柏手を打つのは神社だけとおぼえておきましょうね。

どちらに行くにしても、まずは一年間無事に過ごせた事に対する感謝の気持ちを捧げ、お願いや決意を伝えて、新たな気持ちの切り替えをしましょう。

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初詣でに行く前に知っておくと、
今までと少し違った気持ちでお参りすることができるかもしれませんね。