除夜の鐘をつく意味と108の煩悩とは?回数の複数説も紹介

除夜の鐘をつく意味と108の煩悩について、また鐘をつく回数(108)の複数説を紹介します。

大晦日の夜中24時が近づくと、どこからともなく「ゴーン」と聞こえてくるのが「除夜の鐘」です。
新しい年がやってくる期待感と心洗わられるような神聖な気持ちになりますよね。

除夜の鐘をつく意味は?

まずは除夜の鐘とは、何なのかを確認しておきましょうね。

■除夜の鐘とは
除夜の鐘とは、大晦日12月31日の深夜につく鐘のことです。

「ゴーン」という独特の音色が鳴り響くのは、だいたい12月31日の深夜から日付の変わる深夜0時、新しい年を迎えた1月1日にかけてです。
一年の締めくくりの大晦日の深夜に107回までついて、最後の1打となる108回目の鐘は新年を迎えた1月1日に突かれます。

このような決まり事があるんですよ。

それでは、除夜の鐘をつく意味を確認しましょう。

●除夜の鐘をつく意味
あまり聞きなれない呼び方ですが、
大晦日には、「除日(じょじつ)」「除夜(じょや)」などの呼び方があるんです。
なので、大晦日の夜につく鐘は「除夜の鐘」という呼び名なのです。

そもそもこの「除」という字には、古いものを捨て去って新しいものを迎えるという意味があります。

「除」という字の意味からもわかるように、
「除夜の鐘」には、旧年のいろんな煩悩や悩みを捨て去り、新年には煩悩に煩わされず良い年がおくれるようにと願いが込められているんですね。

除夜の鐘を108回ついて捨て去る煩悩とは?

人には108つの煩悩(ぼんのう)があるといわれています。
108つという数は除夜の鐘をつく回数と同じですよね。

■煩悩(ぼんのう)とは
煩悩とは、字の如く「私達を煩わせ(わずらわせ)、悩ませるもの」なんです。

もっと分かりやすく言うと「愛着や執着」のことで、自分にとって離しがたい捨てがたい感情や感覚です。
「欲望や怒りや恨み妬みの心」などですね。

実際には、私たちが「辛いな」「嫌だな」と思う時、この煩悩が必ず関係しています。
煩悩に煩わされている時は次のような時ですよ。
・欲しいと思ったものが手に入らない時
・自分が思い描いていたことが突然の横槍でぶち壊された時
・自分と同じような人が突然出世したり評価されたりしているのを見て嫌な感情が湧きおこる時 など

108つの煩悩

人間の感覚は下記の6つで構成されています。

【人間の感覚を司る「六根」】
・眼(げん)見る
・耳(じ) 聞く
・鼻(び) 嗅ぐ
・舌(ぜつ)味わう
・身(しん)感じる
・意(い) 思う

●六根のそれぞれに3種類の煩悩が存在します。
・好  気持ちがい
・悪  不快
・平  どちらでもない

6 × 3 = 18
ここまでで18の煩悩ですね。

●この18の煩悩にはそれぞれ下記の2つにわかれるのです。
・淨  きれい
・染  きたない

18 × 2 = 36
ここまでで36の煩悩となります。

●さらに36の煩悩は下記の3のことも関係してきます。
・過去
・現在
・未来

36 × 3 = 108
これで108の煩悩となります。

「108の煩悩」はこのように生まれているんです。

さらに六大煩悩とは

108の煩悩中でも特に大きいものが次の六大煩悩と言われています。

昔から日本では、この六大煩悩は「除夜の鐘」の音によって浄められると考えられてきたのです。
除夜の鐘を聞くことで、一年間の間に生まれた罪を懺悔して、罪を生む心そのものも同じように懺悔するのです。

「除夜の鐘」でこのよう煩悩を取り除き、清らかな心で新しい年を迎えられるということです。

・貪(むさぼり)
・瞋(いかり)
・痴(おろかさ)
・慢(あなどり)
・疑(うたがい)
・見(悪い考え)

●貪(むさぼり)
分不相応な処遇や努力以上の成果を求めたりすること。

●瞋(いかり)
短気ですぐにカッとなったり、些細なことで怒り出したりすること。

●痴(おろかさ)
愚かであるがゆえに、物事の正しい判断が出来ずに失敗をしてしまう。

●慢(あなどり)
他との比較で、自己に優越感を持つ思い上がりのこと。

●疑(うたがい)
疑う心がすぐに起こってしまい、信じる事を妨げてしまう傾向性を持つこと。
用心深いというと聞こえはいいけれど、排他性が強いと幸運の女神にも気付かずに排してしまうので、結果的に疑のスパイラルに陥ってしまうこともある。

●見(悪い考え)
間違ったものの見方や考え方を持つこと。

除夜の鐘の回数(108)の複数説

除夜の鐘をつく回数は108回です。
次のように複数の説があると言われているんです。

人間の煩悩の数という説

一番一般的なのが、人間の煩悩の数という説です。

前述していますが仏教では、
煩悩の根本には「六煩悩」があり、
それが「六識」という基本的な感覚のそれぞれにあるといわれています。
またそれらが、過去、現在、未来におよぶのです。

6(六煩悩)× 6(六識)× 3(過去、現在、未来)= 108になります。

除夜の鐘はお寺にある鐘を叩くことから、この「煩悩の数の説」が主流です。
やはり一番おごそかで大晦日にふさわしい気がしますよね。

一年をあらわす数という説

一年をあらわす数という説もあります。

旧暦に関する数(十二ヶ月・二十四節気・七十二候)をたして(プラス)108つになるという説です。

12(月)+ 24(節気)+ 72(候)= 108になります。

迎える年が楽な年であるようにとの説

これから迎える年が楽な年であるようにとの説です。

これはダジャレのような説です。
四苦八苦を取り除くということです。

(4 × 9 + 8 × 9)= 108になります。

一般的には、除夜の鐘はお寺にある鐘を叩くことから1つ目の「煩悩の数の説」が主流です。
やはり一番おごそかで大晦日にふさわしい気がしますよね。

まとめ

除夜の鐘とは、人間のこころにある煩悩をすべてとりのぞき、真っさらな新しい清らかな心で新年を迎えるという意味があるんですね。

だから、除夜の鐘が突く回数は煩悩の数と同じ\(\,108\,\)回なのでしょう。
今年の大晦日は、テレビからではない生の除夜の鐘を自分の耳で聞いて、清々しい気持ちで新年を迎えてみましょう。

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