赤ちゃんがノロウイルスに感染した時の症状と感染経路や対処方法

赤ちゃんがノロウイルスに感染した時の症状と感染経路や予防策・対処方法についてお伝えします。

寒さを感じる季節に免疫力が低下しがちな赤ちゃんやお年寄りにとって、二次感染能力が強い点が大きな特徴のノロウイルスはとてもリスクが高い病気です。

赤ちゃんがノロウイルスに感染した時の症状

強力な感染力を持っているノロウイルスは最初から辛い症状が続ので、次のような初期症状に早く気づいてかかりつけの小児科を受診することが重要です。

突発的に噴水のような嘔吐を繰り返えす(固形物(離乳食)も水分(母乳、ミルク)も全部)ので、水分が思うように取れない場合は脱水症状を起こしてしまう可能性がある。
■嘔吐の後は、水っぽい白っぽい下痢を何度も繰り返すことでおしりがかぶれることもある。
■嘔吐や下痢で体力を使うためぐったりし不機嫌になる。
■嘔吐や下痢と同時に微熱や高熱を出す場合もある。

脱水症状を疑う赤ちゃんの様子

一番心配なのは脱水症状です。
赤ちゃんは下痢や嘔吐で、あっという間に脱水症状になってしまうことは珍しくありませんからね。
どうしようか迷っている場合ではありません。
個人で判断せずに早急に病院を受診しましょう。

脱水症状は命に関わる問題なので、次のような様子が見られたら急を要します。

●ぐったりしている
●顔色や唇の色が悪い
●目がうつろで反応が鈍い

ノロウイルスの感染経路は?

ノロウイルスの感染経路は基本的に口から入ってきます。
感染症の大元の感染源は、生ガキを食べると感染すると言われています。

しかし生ガキだけではありません。
カキなどの二枚貝の体内にノロウイルスは潜んでいるんです。

加熱が不十分なまま(80℃以上で1分以上の加熱)の二枚貝を食べた場合、ノロウイルスは体内に侵入し胃腸内の細胞にとりついて増殖していきます。

ただ、赤ちゃんは生ガキや二枚貝は食べられませんよね。
「ではなぜ、赤ちゃんがノロウィルスに感染する確率が高いの?」と不思議に思うお母さんは多いでしょう。

それはね。
人体に侵入したノロウイルスは、体内で増殖し便や嘔吐物と共に体外へ排出されます。
この便や嘔吐物が感染源となって、人から人へ感染が拡大しノロウイルスが流行するのです。

ノロウイルスに感染した人の手から食事が作られて、その食事を食べた人にまたノロウイルスが感染する。
二次感染からどんどん広がってしまうと言うわけです。

とても怖いですよね。
このように、二次感染能力が強い点もノロウイルスの大きな特徴です。

だから、免疫力の弱い赤ちゃんは簡単にノロウイルスに感染してしまうのです。
感染した人の使ったお箸で一緒の料理を食べるだけでもノロウイルスは感染するとも言われているんですよ。
なんでも触りたがり口に入れてしまう赤ちゃんは、感染の確率がグーンと上がってしまうのもうなずけますよね。

赤ちゃんがノロウイルスに感染しないための予防策や対処法

感染を未然に防ぐ予防策はすべての感染症に共通する重要なことです。
しっかり確認しておきましょうね。

赤ちゃんがノロウイルスに感染しないようにするためには、外からノロウイルスを家に持ちこまないことです。
また、ノロウイルスの感染経路は基本的に口から入ってくるので、知らないうちに手についてしまったノロウイルスを口にいれないことが大切です。

赤ちゃんがノロウイルスに感染しないための予防策

外からノロウイルスを家に持ちこまない、手についてしまったノロウイルスを口にいれないようにするための予防策を紹介しますね。

予防策は赤ちゃんだけでなく、家族全員で実行しなければ効果はありませんよ。

■帰宅時やトイレの後は、石けんで丁寧にしっかり手洗いし、30秒以上かけて流水で手を洗い流すことを習慣にする
睡眠を十分にとり、バランスの良い食事こころがけて体力の低下を防ぐ
■食べ物はよく過熱してから食べるようにして、食品からの感染リスクを減す
一般的に80℃以上で1分以上の間加熱するとノロウイルスが死滅すると言われています。
■授乳の際は、赤ちゃんが口にする哺乳びんの乳首やおっぱいなどを清潔に保つ
調理器具の洗浄や消毒をきちんと行う

赤ちゃんがノロウイルスに感染した時の対処方法

家族で予防策を実行していていたにも関わらず感染力の高いノロウイルスが赤ちゃんに感染してしまった時の対処方法をしっかり確認しておきましょう。

赤ちゃんにノロウイルスが感染した疑いがあるとき

(1)あわてずに注意深く様子を観察します。
(2)脱水症状を起こさないようにこまめに水分補給をします。
(3)早めにかかりつけの小児科医を受診します。
診察後、ノロウイルスと診断されると点滴や整腸剤などが処方されます。
処方された薬はしっかり飲ませましょう。

自己判断で小児科医を受診ぜずに、家にある解熱剤や下痢止めを飲ませることはやめましょうね。

嘔吐が激しい場合の母乳やミルクの与え方

一番大切なのはこまめな水分補給ですよ。

1回に飲む量は少なめにします。
30分~1時間の間に吐かないようならさらに飲ませてみましょう。
吐いた後はすぐに飲ませたりしないでしばらく様子を見ましょう。
全く母乳やミルクが飲めない場合や母乳やミルク飲んでいても嘔吐の回数が多い場合は、脱水症状になる可能性高いので、すぐにかかりつけの小児科医を受診しましょう。

離乳食が進んでいる赤ちゃんの場合

離乳食が始まっているとお母さんは食べさせなくちゃと焦ってしまうかもしれませんが、赤ちゃんが食べたがらない場合は無理に食べさせる必要はないですよ。

【赤ちゃんが食べ物を欲しがった時】
赤ちゃんが食べ物を欲しがった時は少量ずつ、つぎのような食べ物を食べさせましょう。

●おかゆ
●柔らかくクタクタに煮込んだうどん
●ゆでたじゃがいもなどのでんぷん質の多いもの

【回復してきたら】
回復してきたら食べるものの種類や量を増やすようにし、通常の離乳食になるべく早く戻すようにしましょう。

回復するまで避けておきたい食材

次の食べ物は胃に負担がかかるので、完全に回復するまでは食べさせないようにしましょう。

・脂っこい食べ物
・食物繊維の多いもの
・刺激の強いもの
・柑橘類やその他の果汁 など

赤ちゃんが完治した後の対処方法

再度ノロウイルスに感染しないように、また家族に移らないようにするための完治した後の対処法を紹介します。

ノロウイルスの免疫は持続期間が短く種類も多いので、1度ノロウイルスに感染し免疫ができても違う種類のノロウイルスに簡単に感染してしまう可能性が多いのです。
恐ろしいことですが、一冬に2回ノロウイルスに感染することは十分にあり得る事なのです。

■ノロウイルスは基本的にアルコール除菌では死滅しないので、塩素系漂白剤で消毒する必要があります。
消毒液は、水5リットルに対して50mlのハイターなどを入れましょう。
■洗濯物は赤ちゃんのものと家族のものは別にし、赤ちゃんのものだけ熱湯に1分以上付け込みましょう。
■赤ちゃんの嘔吐物は塩素系漂白剤をしみこませた布などでキレイに拭き取りましょう。
素手でなく必ず使い捨てのビニールの手袋を使用しましょう。
■布団などに嘔吐物が付いた場合は塩素系漂白剤で拭き取った後に外に干す、または拭いた場所をしっかりと布団乾燥機やドライヤーで乾かすようにしましょう。

 ⇒ ノロウイルスはお風呂で感染する?消毒方法や感染した子供お風呂はいつから?

こちらの記事も参考にしてください。

対処(掃除)する場合のポイント

ドアノブやトイレ、嘔吐後などに消毒液をスプレーして拭き掃除する場合、使い捨て手袋とマスクを必ずつけてから行いましょう。
汚物を拭きとった雑巾やペーパータオル・マスク・使い捨て手袋などは、ビニール袋に入れて固く口を縛ってから捨てるようにします。

同様におむつ替えの時も、必ず使い捨て手袋やマスクをし予防することを忘れないでください。
マスクや使い捨て手袋はビニール袋に入れ、汚れたおむつもビニール袋に、しっかり固く口を縛ってから捨てるようにします。

使い捨て手袋をして作業をしても、手洗いは石鹸を使用してしっかり洗い、30秒以上流水で洗い流すことが重要です。

まとめ

ノロウイルスから大切な赤ちゃんや家族を守るためにも、予防対策と対処方法をしっかりお母さんが身につけておきましょう。
赤ちゃんがノロウイルスに感染してしまっても、あわてずに落ち着いて対処し、二次感染しないように気を付けましょう。

脱水症状にならないように注意して様子を観察し、気になる場合はすぐにかかりつけの小児科医を受診しましょう。

 ⇒ 子供の咳で病院に行く目安と考えられる病気 何科を受診?

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