数の子の塩抜きを簡単にする方法と味付けの仕方や保存方法、保存期間についてお伝えします。
コリコリした独特な歯ごたえがたまらない数の子はおせち料理には欠かせない食材ですが、塩漬けの数の子は塩抜きをしないと食べれません。
味付けも必要ですよ。
数の子の塩抜きを簡単にする方法
市販されている数の子は塩漬けされていますよね。
この塩漬けされている数の子を調理するには、まずは塩抜きが必要です。
上手な塩抜きが数の子の味を決めるといっても過言ではありませんよ。
【むかしむかしその昔】
実は私、若かりし頃に奮発して数の子を買って帰ったのです。
両親を喜ばせようとしたのですが、恥ずかしながら家族全員が数の子に塩抜きが必要だとは知らないというありさま・・・
そのまま味付けして「何んだコレは!!」とみんなで大騒ぎしてしまった経験があります。
それはそれは食べられるものではありませんでしたよ。
しょっぱいし、生臭いし、えらい目にあいました。
私にとっては相当頑張って買った大箱の数の子だったのですが、「無知って怖いな・・・」と感じた最初の出来事です。
その後は塩抜き方法をおぼえ、今はとっても美味しい味付け数の子をおせち料理の時期になると作っていますよ。
それでは、前置きが長くなりましたが、数の子の塩抜きを簡単にする方法を紹介しますね。
塩抜きのポイント
塩抜きのポイント2つをまずは確認しておきましょう。
■薄い塩水
数の子の塩抜きには薄い塩水を使うのがポイントです。
「えっ? 真水ではないの?」と不思議に思う方がいるかもしれませんが、数の子は小さな卵の一つひとつに塩分がついているので、真水に浸けるだけでは塩抜きはできないのです。
浸透圧がその理由なんです。
なので数の子の塩抜きには、薄い塩水を使って行なうことがキモと覚えておきましょうね。
■うすい膜(皮)
数の子についているうすい膜(皮)もとても気になりますよね。
最初にキレイに取らなくちゃと思いがちですが、最初に取る必要はありません。
最初にうすい膜(皮)を取ってしまうと数の子の身が崩れてしまう可能性があるんです。
塩水に浸けているとうすい膜(皮)はとても取りやすくなるので、塩抜きをしている途中で取るようにしましょう。
数の子の塩抜き手順
(1)数の子は、水1Lに対して塩小さじ1の塩水に6~8時間浸します。(数の子100gに対して塩水1Lが目安)
手間がかかりますが、この作業を2~3回繰り返して行ないます。
(2)塩水に浸す2回目の作業が終わった時点で数の子の味見をしてみましょう。
この時、数の子に塩気が若干残っている状態ならOKですが、まだしょっぱいと感じたら3回目(塩水に浸す)の作業を行います。
数の子の厚みなどによっても浸水時間は違ってきます。
必ず味見をしながらの作業がポイントですね。
【塩抜きをし過ぎた場合】
数の子の塩抜きはすればするほど美味しくなると言うものではありませんから気をつけましょう。
数の子の塩抜きをし過ぎてしまうと苦味が出てしまうんです。
もしも苦味が出ちゃったら、数の子に塩味を戻して苦味を取りましょう。
●数の子に塩味を戻して苦味を取り去る方法
塩抜き作業をした時よりもやや濃いめの塩水を作り、1~2時間様子を見ながら浸せばこれでOKです。
数の子の「簡単」塩抜き方法
「簡単」塩抜き方法は、どうしてもという時に行いましょうね。
年末はバタバタと慌ただしいですよね。
なかなかおせち料理の作業が進まずに、「大晦日になっちゃった。」なーんてこともなきにしもあらずです。
そんな時に数の子がまだ箱に入ったままだと、「食べたいけど、めんどくサッ!」と叫びたくなっちゃいますよね。
「いっそおせちに無くてもいいかな・・・」とも思っちゃいます。
でも、せっかく数の子があるんだから、急いで時短で簡単に出来る塩抜き方法を紹介します。
ただ旨味の点からいうと、ゆっくり時間をかけて塩抜きを行った方がベストですからね。
通常は1日~2日かかるところを、たったの3時間程で塩抜きできる方法です。
(1)ぬるま湯(約40℃)1Lに塩は小さじ2杯の塩水を作り、そこに数の子を1時間位浸します。(この場合も数の子100gに対して塩水1Lが目安)
浸している間に数の子のうすい膜(皮)を取り除きましょう。
(2)次に真水の中で1~2時間浸しましょう。
その間、真水は1~2回替えて塩抜き加減の味見をしてください。
数の子(塩抜き後)の味付け方法
店頭には味付け済みの数の子を販売しています。
しかし、手をかけて自分で塩抜きした数の子を味付けしたものは格別に美味しいですよ!
【材料】
・数の子 200g
・だし汁 2カップ
・薄口醤油 大さじ3
・酒 大さじ1.5
・みりん 大さじ1.5
・塩 ひとつまみ(小さじ1/3程度)
・かつおぶし 少々
【下準備】
(1)調味料(だし汁・薄口醤油・酒・みりん・塩)を鍋に入れ、一度煮立ちさせてからよく冷ましてください。
(2)冷めた(1)の漬け汁を密閉容器に入れておきます。
【作り方】
(1)うすい膜(皮)をきれいに取り除いた数の子は、真水で一度洗ってざるで水切りします。
(2)水切り完了の数の子に少しお酒をふりかけます。
(3)漬け汁が入った密閉容器に数の子を入れて冷蔵庫で2日間程寝かします。(数の子に漬け汁がよく染み込んで美味しくなります。)
(4)食べややすい大きさに切って、かつお節をふりかけて完成です。
数の子の保存方法と保存期間は?
数の子を塩抜きした後、直ぐに調理できれば良いですが、忙しくて出来ない場合もありますよね。
そんな時どのように保存したらいいのか、またどれくらいの期間保存できるのか紹介します。
塩抜き後の保存方法と保存期間
塩抜き後の数の子は「生ものと同じ」と考えましょう。
ラップにきれいに包む、または密閉容器に入れて必ず冷蔵庫で保管して早めに食べきりましょう。
保存期間は冷蔵庫であっても5日程度です。
長くても1週間ですが、使用する時は数の子を確認し、粘つきや臭いがした場合には残念ですが処分するようにしましょうね。
塩抜き前の保存方法と保存期間
塩抜き前の塩漬け状態の数の子の場合は、保存食のように塩分がとても高い食品なので冷蔵庫で2~3月持ちます。
だから、一度に全部塩抜くする必要はないのです。
塩漬け状態の数の子は、5日間程度で食べれる量を考え塩抜き作業を行いましょう。
冷凍保存はできないの?
塩抜きをした数の子は、そのままでも味付けをした後でも冷凍保存をすることはできます。
【味付け後の数の子】
味付け後の数の子を冷凍する場合は、漬け汁はしっかり切ってから冷凍しましょう。
【塩抜き後の数の子】
塩抜き後の数の子を冷凍した場合、1~2ヶ月は大丈夫とされていますが、冷凍することで数の子独特のコリコリとした歯ごたえが失われ、味が落ち、バラバラになる可能性があるので、なるべく早く食べ切りましょう。
冷凍した数の子は、冷蔵庫で自然解凍してから食べましょう。
まとめ
おせち料理にかかせない縁起のいい数の子は味付けしたものを市販で購入できますが、手間をかけた手作りの数の子は市販のものとは比べものにならないほど美味しいです。
⇒ おせち料理を食べる理由と種類やいわれ&重箱に詰める意味と詰め方
今年はぜひ、重箱に詰める数の子は塩抜きと味付けに挑戦して、あなたの家のオリジナル味付け数の子を味わってみましょう。