雛人形を飾る時期と向きや場所は? 飾り方としまう時期はいつ?

雛人形を飾る時期と向きや場所が気になる飾り方としまう時期はいつ頃がいいのかお伝えします。

娘の初節句で何もかもが初めてのお母さんは特に神経質になってしまいますよね。
雛人形は自信を持って飾り付け、しまえるようにしましょう。

雛人形を飾る時期はいつ?

可愛い子供の初節句に選んだ雛人形は、いつ頃から飾っていいものなのか悩むお母さんは多いですよね。

せっかく買ったのだから、早めに飾って子供にも長い期間見せてあげたいですよね。
しかし、早すぎるのもまずいのではないかと迷うところです。

ひな祭りは女の子の健康を祈ると共に、「春を告げる桃の節句」として親しまれています。
2月に入るとスーパーなど店頭にお雛様にお供えするお菓子(ひし餅・ひなあられ)なども並び始め、花屋さんには桃の花が並びます。

このようなことからも、2月に入ったら飾っていいのでしょう。

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遅くともお節句の一週間前までには飾り、3月3日のひな祭りを家族みんなで楽しみに待ちたいですね。

桃の節句は季節の節目の行事なので、飾る時期は下記のタイミングを参考にしてください。

飾るタイミング

●早く飾りたい場合
早く飾りたい場合は、「立春」この日が良いでしょう。

立春はほとんどのカレンダーに記載されています。
カレンダーに記載されていない場合は、「鬼は外~ 福は内~」の節分の翌日と覚えておきましょう。

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節分の豆まきで厄を払い清めたところで春を迎えてお雛様を飾るという流れです。
気分もスッキリし、何だかとても縁起がいい感じがしますよね。

しかしお仕事をしている場合は、立春だからといっても平日にお雛様を飾るのは難しいですよね。
そんな時は、無理して夜中にゴソゴソ飾るなんてするひつようありませんよ。

立春を過ぎて最初のお休みの日に飾りましょう。
神経質に考えず臨機応変にしましょうね。

●飾るのはゆっくりでいい場合
飾るのはゆっくりでいい場合は、季節を春夏秋冬に分けるために用いられた中国の定気法、二十四節気(にじゅうしせっき)による雨水(うすい)の日が良いでしょう。
雨水(うすい)とは、雪が雨になって氷が水に変わる頃なので、「本格的な春を迎える季節」と言えます。

この日を境に寒さも和らぎ本格的な春も近いということから、雛人形を飾る日としても好まれ「良縁に恵まれる」という言い伝えもあります。

日にちにしたら、2月18日または19日頃です。

カレンダーに記載されていなかったら、バレンタインデー(2月14日)が過ぎたらそろそろと憶えておくと忘れませんね。

【お日柄は重要?】
特に年配の人は良くお日柄を気にしますよね。
お祝いごとは大安吉日が良いと言われますが、あまりこだわらなくても大丈夫です。

自分自身が気になってしかたがないのなら、お日柄の良い日を選んで飾るのが良いですね。

しかし、自分自身気にならないのであれば余り周りに振り回されなくても良いと思います。
だってお日柄を考えていたら、何事もそうですがきりがありませんからね。

雛人形を飾る向きや飾る場所と飾り方

雛人形を飾る向きや飾る場所に決まりがあるのか気になっているお母さんは多いですよね。

雛人形を飾る向きと場所

可愛い娘のお節句ですから、人形に飾るのに適した場所は慎重になりがちですが、雛人形はどちらの方角を向いていないとダメとか、この場所でなくては失礼にあたるなどという決まりはないですよ。

家の中どこでも、各家庭で都合のいい飾りやすい場所でOKなんです。

できれば、家の中で一番みんなの目に触れる場所を選びましょう。
わざわざその部屋に行かないとお雛様が見れないのでは、お雛様が可哀想ですもんね。

【飾る時の注意点】
注意して欲しいことが2つあります。
しっかり確認しておきましょう。

■高温多湿な場所
■直射日光が当たる場所

エアコンの風や加湿器の湿気、窓からの太陽光には特に注意してくださいね。
乾燥・カビ・日焼けは雛人形にとっても大敵なのです。

雛人形(男雛と女雛)の飾り方 左右の配置は?

男雛と女雛の左右の配置に毎年迷うという人は意外に多いんですよね。
だから初節句の場合はなおさらです。

地域によっては男雛と女雛の左右の配置が異うなんてこともあるんです。

ちなみに、雛祭りの歌の歌詞に「お内裏(おだいり)様とお雛(おひな)様 二人並んですまし顔・・・」のフレーズがあるので、
「男雛=お内裏様、女雛=お雛様」と間違って理解している人が多いですが、女雛もあわせて「お内裏様(内裏雛)」と呼びますよ。

 ⇒ うれしいひな祭りの歌詞の意味 2つの間違いと短調なのはなぜ?

うれしいひな祭りの歌詞を忘れちゃってる人は参考にしてください。

●陰陽説の考え方
陰陽説の考え方にしたがった場合
「陽である男性の雛人形は同じく陽の方向の左置き
「陰である女性の雛人形は同じく陰の方向の右置き
というのが古来からの日本文化の習わしでした。

今でも、京都をはじめとする西日本は、
向かって右に男性の雛人形(男雛)、向かって左に女性の雛人形(女雛)を配置することが主流になっています。

●西洋的な考え方
明治以降、皇室に西洋的な考えが入ることにより
向かって左に天皇陛下
向かって右に皇后陛下」がお並びになったことから、当時の東京の人形組合がお雛様の左右を入れ替えて飾るように決めたのです。

関東では、
向かって左に男性の雛人形(男雛)、向かって右に女性の雛人形(女雛)を配置するところがほとんどです。

いずれが正しいということではなく、現在は全国で混在した状態のようです。
ただ、結婚式も向かって左に男性、向かって右に女性が並ぶことから、現在はわかりやすい新式(西洋的)で配置する家庭が増えています

男雛と女雛以外の人形の配置は?

男雛と女雛以外の人形の配置も毎年悩むお母さんが多いです。

今のようにインターネットで調べることができる時代は良いですが、私が子供の頃、私の母は毎年相当悩んでいたんだと思います。
雛人形を飾り付けに時間をかけている母の様子を、私が今でも覚えているということは「当時、母は相当困っていた。」ということですよね。

三人官女の配置と道具の持たせ方

三人官女とは、お内裏様に仕える宮廷の女官です。

向かって左から
「加銚子(くわえのちょうし)」「三方(さんぽう)」「長柄銚子(ながえのちょうし)」の順に配置します。

【加銚子(くわえのちょうし)】
銚子はお酒を注ぐための酒器です。
手がつるを下げられるように上を向いているのでそこに掛けます。

【三方(さんぽう)】
三方は、盃が乗っている台です。
両手に乗せるように持たせます。

【長柄銚子(ながえのちょうし)】
長柄銚子もお酒を注ぐための酒器です。
注ぎ口のある方が内側(三方側)にくるように、両手で持たせます。

五人囃子の配置と道具の持たせ方

五人囃子は能楽をかたどったものです。

向かって左から
「太鼓(たいこ)」「大鼓(おおかわ)」「小鼓(こづつみ)」「笛(ふえ)」「謡(うたい)」の順に配置します。

【太鼓(たいこ)】
太鼓役は座った姿勢で、両手で太鼓の「ばち」を持ちます。

【大鼓(おおかわ)】
大鼓役は立った姿勢で、小鼓よりも下の方に手があり左手に大鼓を持ちます。

【小鼓(こづつみ)】
小鼓役は立った姿勢で、左肩の方に小鼓を乗せ右手で支えます。

【笛(ふえ)】
笛役座った姿勢で、両手を前に出して笛を持ちます。

【謡(うたい)】
謡役は座った姿勢で、両手を膝付近に出して右手に扇を持ちます。

右大臣・左大臣の配置

右大臣と左大臣は、弓矢を持ち宮廷を警護する武官です。

【右大臣(うだいじん)】
右大臣は若者とされ、黒い衣裳を着ています。
その名の通りに、右側(向かって左の男雛側)に配置します。

【左大臣(さだいじん)】
左大臣は老人とされ、赤い衣裳を着ています。
役職としては右大臣よりも上位に当たります。
左側(向かって右の女雛側)に配置します。

桜と橘の配置

「左近の桜・右近の橘」という言葉があるのでこの通り配置します。

【桜】
向かって右の女雛側に配置します。

【橘】
向かって左の男雛側に配置します。

雛人形をしまう時期はいつ頃がいいの?

雛人形に限ったことではないですが、飾る時は頑張っちゃうけどしまうのは苦手の私と同じような人は多いと思います。
しかし、いつまでも出しておくわけにはいきませんから、しまう時期を自分の中で設定しておく必要がありますね。

お節句は季節の節目です。
季節の節目という本来の意味からして、雛人形をしまう時期は遅くとも3月中旬までに済ませましょう。

節目を越えていつまでも出しておくものではありませんからね。

早めに片付けることができるのならば、「啓蟄(けいちつ)の日」の3月6日頃が良いと言われています。
若葉が芽吹き虫がうごめき始めるとされる「啓蟄の日」は、雛人形を飾る時期に良いとされる「雨水(うすい)」の次の節目に当たります。

ひな祭りから3日後ということでちょっと慌ただしいですが、できるだけ季節の節目を超えないのがいいとされています。

雛人形を早くしまう理由

雛人形は、季節の節目を超えないでしまうのがいいということですが、この他にも早くしまったほうがいいとされる理由があるので紹介しますね。

雛人形は女の子の厄を引き受ける役目を持っているので、災いを遠ざけるという意味からもできるだけ早く片付けた方がいいとされているのです。

また、一つの行事が終わったらいつまでも出しっ放しにしないできちんとしまうというしつけの意味も含まれています。

このような理由がいつからか、
「雛人形をしまうこともできないとお嫁に行けない」→「ひな人形を出しっ放しにしていると結婚できない」へと変化し現在の通説になったようです。

「よくしつけられた子供が早く良縁に恵まれるように。」との親の願いが込められているんですね。

まとめ

雛人形の飾る時期や飾る場所には、こうしなければならないという決まりはないので、それぞれの家庭に合ったひな祭りを家族で楽しみましょう。

お雛様も以前は段飾りが多かったですが、近年は住宅事情などの変化から、収納できる収納タイプやケース飾り、内裏雛のみを飾る親王飾りなどの小さな雛飾りへと変化してきています。
しかし、雛飾りは女の子の成長を願う親たちの祈りが、人形に込められていることに変わりはありません。

 ⇒ 初節句の雛人形は母親のおさがりでいいの?処分方法や何歳まで飾るの?

お人形の人数や段数の違いやお道具の有無の違いはあっても、基本的な考え方は変わらないのです。