初節句の雛人形は母親のおさがりでいいの?何歳まで飾り処分方法は?

初節句を迎える子供の雛人形は母親のおさがりでもいいのか、雛人形の扱い方や何歳まで飾るものなのか、また処分方法についてお伝えします。

雛人形の購入時に自分の雛人形を子供の雛人形として受け継がせてもいいのかなと悩むお母さんはは少なくないようです。
問題点をスッキリと納得して楽しいひな祭りを迎えましょう。

初節句の雛人形 母親のおさがりでいいの?

おばあちゃんや親から贈ってもらった幼い頃から思い入れのある自分(母親)の雛人形を、子供に受け継がせたいと考えるお母さんも少なくありませんよね。

一般的に雛人形は、女の子を厄災から守るための身代わりとなる「人形(ひとがた)」「形代(かたしろ)」という考えが根強く残っているんです。
だから、1人に対して1組の雛人形を用意すると言う考え方が基本です。

確かに厄災から守るための身代わりとなってくれるのなら、1人に対して1組の雛人形を用意することは納得できますよね。

ただ、女の子が3人(3姉妹)だったら・・・
昔もそれぞれに雛人形を買っていたのか気になるところではないですか?

そんな贅沢が出来る時代でなかったはずですよね。
現代においても、姉妹それぞれに一体づつ雛人形を用意できる家庭はごく一部ではないでしょうか。
飾るスペースを確保することから大変になってきます。

昭和初期に行っていたことを参考に

昭和初期に行っていたことを参考にすると、母親からの雛人形のおさがりも「あり!」ということになりますよ。

次のようにしていたんです。

長女の初節句には段飾りの雛人形を揃えます。
次女・三女の初節句には段飾りの雛人形を購入するのは控えて、市松人形やわらべ人形を購入しそれぞれのお人形を災厄の身代わりとします。

毎年のひな祭りにはそれぞれ初節句に購入したお人形を一緒に飾る(長女の段飾り・次女・三女の市松人形やわらべ人形)のが慣わしとなっています。

このことから、1人に対して1組の雛人形でなくてもいいってことになります。
このやり方で、母親の雛人形を飾り、子供には市松人形やわらべ人形を用意すればいいということになりますね。

●それぞれの家庭の考え方次第
要はそれぞれの家庭の考え方しだいですよね。
「代々、雛人形を受け継ぐのは良いこと。」と考える家庭もあるでしょう。
「1人に対して1組の雛人形という言い伝えがあるなら、子どもに母親の雛人形は使うべきではない。」と考えるが家庭があってもいいのです。

子供に自分(母親)の雛人形を受け継がせたいけど、どうしても「1人に対して1組の雛人形」という言い伝えが気になるようならば、新しい雛人形をお子さんに買ってあげましょう。
そして住宅事情が許すのであれば、お子さんの新しい雛人形の横に母親の雛人形も飾りましょう。

 ⇒ 雛人形を飾る時期と向きや場所は? 飾り方としまう時期はいつ?

【私の場合】
実は私は一人娘で一人っ子です。
でも、私の雛人形を親は購入していません。
雛人形は母親の宮型の雛人形を受け継ぎたんです。
私の初節句には可愛らしい市松人形を祖母から贈られました。
親戚からはわらべ人形をいただきました。
毎年のひな祭りには、全てが飾られていましたよ。

しかし、あの市松人形が私の「人形(ひとがた)」だったとは子供の頃は知りませんでした。
宮型の雛人形は自分のものだと思っていたんです。
今ではほとんど見られない宮型は、きらびやかな御殿から組み立て始めるとても素敵なもので自慢のお雛様でした。

母親のおさがりの雛人形の扱い方

母親のおさがりの雛人形の扱い方は次の3つが考えられます。
どれが自分の家庭に合っているのか考えて参考にしてくださいね。

1. 厄災の身代わりは雛人形でなくてもいいので、子供には昭和初期からの慣わしとなっている市松人形やわらべ人形を用意して、お母さんの思い入れのある雛人形と一緒に並べて飾りましょう。

2. 子供には新しい雛人形を用意し、母親の内裏雛(男雛と女雛)のみ飾ってその他は処分しましょう。

3. 子供に新しい雛人形を用意し、ちょっと寂しいですが母親の雛人形は処分しましょう。

雛人形は何歳まで飾るものなの?

雛人形は子供が何歳まで飾るものなのか、雛人形の役目が満了するのは子供が何歳なのか気になりますよね。

実のところ、これといった決まりはないのです。

結婚したら飾らなくてもいいというものでもなく、何歳になっても雛人形を飾ることに問題はありません。
もともと、雛人形は人間の身代わりになり厄災を引きうけてくれるもの(災厄をひきうけてくれるお守りのような存在。)と考えられているので、「ひな祭り = 雛人形を飾る」ということ以上に深い意味がありますよね。

なので、何歳まで飾るかはそれぞれの家庭で大きくなった子供と話し合って決めてはいかがでしょうか。
その時、雛人形にはどんな意味があるのか、この雛人形を選んだ時の家族の思いはどんなだったのかを話してあげる良いチャンスになるでしょう。

●飾るのを止めるタイミング
一般的には、次のタイミングで飾るのを止める人が多いようです。

■結婚するまでは飾っていた
■小学生までは飾っていた
■子供が雛人形に飽きるまで飾っていた
■親の都合で止めた(出したりしまったりが面倒なので)

飾ることの出来ない(飾らなくなった)雛人形の処分方法は?

飾ることの出来ない(飾らなくなった)雛人形の処分はどのようにしたら良いのか悩んでいる人は多いですね。

長年飾っていた雛人形だったりすると、思い入れも強いですからね。

譲り受ける相手がいない場合や、諸事情でこのまま家の中に置いておく事が厳しくなった場合、さらには、飾らなくなってもう何十年も箱にいれたままずっと眠らせておいている可哀想で忍びない場合など人それぞれでしょう。

どうしたらいいのか、いくつかの処分方法を紹介しますね。

神社やお寺で供養してもらう

古くから人の形をしたものは、神霊が依り憑く「形代(かたしろ)」とされています。
だから雛人形は「流し雛」のように水(川など)に流して処分するのが良いと言われているんですね。

しかし、現代では物理的に水(川など)に流すのは不可能です。
そのため、一般的には神社に奉納したりお寺で供養をしてもらうのが良いでしょう。

自宅の近くの神社やお寺に、雛人形の供養をしているか問い合わせをしてみましょう。
費用はまちまちですが、3,000円~5,000円位のようです。

ただ、お寺でも最近はお焚き上げをしにくくなってきていると、お正月のご挨拶に菩提寺伺った際に住職さんから聞きました。

人形供養代行サービスで供養してもらう

自宅の近くに人形供養をしてくれる神社やお寺が見当たらない時は、人形供養代行サービスを利用しましょう。

一般社団法人「日本人形協会」が日本郵政と提携していて、「ゆうパック」で人形感謝(供養)代行サービスを行っています。

電話やインターネットで申し込むと「お人形差出キット」(ひとがた・お人形送り専用ラベル・手続説明書・代金振込票)を送ってくれるので、供養して欲しい人形を梱包し、郵便局に集荷してもらえばOKなので便利です。

回収して頂いた雛人形は、毎年10月頃に東京大神宮で行われる「人形感謝祭」で供養してもらえます。

ただし、前月9月末日の供養代金を払い済みの場合が10月の人形感謝祭での供養となり、供養代金の支払い10月以降になった場合は翌年度の供養となります。
料金は1箱5,000円です。

ただ、受付けてもらえるものと、受付できないものがあるので気をつけましょう。

【人形感謝祭で受付けてもらえるもの】
■雛人形・五月人形・兜・抱き人形・市松人形・舞踏人形・フランス人形・博多人形などの人形全般
■ぬいぐるみやこけしなどの顔のついたもの
■天神さ・、羽子板などの顔が描いてあるもの
■鯉のぼりなど

箱の大きさ 縦 + 横 + 高さ の合計が170cm以内で、重量が30kg以内のもの
※付属のガラスケースは除外です。

【人形感謝祭で受付できないもの】
■人形以外のもの

箱の大きさ 縦 + 横 + 高さ の合計が170cm以上で、重量が30Kg以上のもの

【一箱で納まらない場合】
内容品が多く(大きく)一箱で納まらない場合は、追加分一個につき2,000円の加算料金を払い込みすればOKのようなので、先ずは電話で問い合わせてみましょう。
0120-25-5942(受付時間 10:00~17:00 土・日・祝日を除く)

老人施設・児童養護施設・保育園などに寄付する

老人施設や児童養護施設、保育園などで雛人形を必要としているところは少なくないありません。
雛人形とお飾りの道具も一式揃っていて傷みも少ない場合は寄付をする方法もあります。

まずは自宅近くの老人施設や児童養護施設、保育園などに問い合わせてみましょう。

多くの皆さんに喜んでもらえるなら、こんな嬉しいことはありませんよね。
これも雛人形にとって良い供養なのではないでしょうか。

●寄付する場合
寄付する場合は、雛人形のほこりや汚れはできるだけ掃除をしてきれいにし、運搬途中に破損しないようにていねいに緩衝材に包んで送りましょう。

ネットオークションで売却する

雛人形は、海外でインテリア小物として人気があるので、ネットオークションで売却する方法もあります。
欲しがっている人の目に留る可能性は高いようです。

また、「中古でもいいから雛人形が欲しい!」と探している人もいるようですよ。

まとめ

雛人形は子供の成長を見守ってくれる特別な人形です。
母親の雛人形を譲り受ける場合も、新しく購入する場合も同様に、最後まで大事に扱い感謝しましょう。

 ⇒ ひな祭りの由来と初節句のお祝いメニュー 食事とお菓子が持つ意味

家族みんなで雛人形を愛でてひな祭りを楽しみましょう。