お彼岸にお供えするおはぎはいつ食べるのか、そのタイミングと気になる由来やぼたもちとの違いについてお伝えします。
おはぎはお彼岸にお供えするものというイメージがありましたが、最近では見た目がスイーツのようなおはぎ専門店もありイメージも変わりつつありますね。
お彼岸にお供えするおはぎはいつ食べるの?
年に2回訪れるお彼岸は、春彼岸も秋彼岸も期間は7日間です。
7日間のうち、お供え物のおはぎはいつ食べるものなのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
地域によって多少の違いがあると思いますが、
一般的には、彼岸の入りには仏壇にお団子を供えお彼岸の中日におはぎをお供えします。
お彼岸の中日におはぎを食べることが最もご先祖様へのお供え物としての意義があると言われています。
しかしそうは言っても、やはりお供えするという気持ちが一番大事ですからね。
おはぎをお供えするのは日が前後してもいいのです。
必ず中日に出なくてもいいのです。
また、おはぎはお彼岸中(7日間)毎日供える必要はありませんよ。
一度だけ供えればOKです。
基本的におはぎは、お彼岸の期間中(7日間)いつ食べてもいいのです。
ご先祖様をしのびながらご家族で美味しくいただきましょう。
お彼岸にお供えするおはぎやぼたもちの由来
仏教の教えに、何でもほどほどが良いという「中道」という考え方
があります。
その考えと合致して出来たのが「彼岸」だと言われています。
春分の日や秋分の日は、昼と夜の長さが同じになりますよね。
また、暑くもない寒くもない、ほどほどのちょーど良い季節です。
太陽が真西に沈む時期なので、
西方極楽浄土におられる阿弥陀仏を礼拝するのにふさわしいという考えから、
次第に人々の生活に浄土をしのぶ日、
あの世にいるご先祖様をしのぶ日として彼岸は定着したのです。
それでは、そのお彼岸になぜ「おはぎ」や「ぼたもち」をお供えするようになったのか紹介しますね。
由来に関係しているあんこの材料 小豆(あずき)と砂糖
江戸時代、あんこの材料の小豆はもともと漢方薬として中国で使われ、その後日本に入ってきます。
日本人はこの小豆を健康食材として重宝しました。
●小豆(あずき)
健康食材として重宝していた小豆の赤い色には魔除けの効果があると信じられ、邪気を払う食べ物とされていたのです。
小豆を使った料理にお赤飯があります。
お祝いの席などでよく振る舞われますが、このような魔除けの意味が込められていたんですね。
●砂糖
お砂糖は江戸時代初期には高級品でした。
高級品の砂糖を使って作るおはぎは、とっても贅沢なお菓子だったのです。
普段は食べることのできない、とっても贅沢なお菓子のおはぎやぼたもちは、大事な日や大きな節目に大切な人へ振る舞う際の食べ物となります。
このように、小豆と砂糖を使った「おはぎ」や「ぼたもち」をご先祖様にお供えすることで、ご先祖様に感謝をし邪気を払って家族の健康を祈るという風習が根付いたのですね。
お彼岸にお供えするおはぎ ぼたもちとの違いは?
「おはぎ」も「ぼたもち」も餅米と小豆と砂糖で作られる同じ食べ物なんです。
それではなぜ呼び名が違うのか確認しましょう。
お彼岸は春と秋の年に2回ですよね。
一般的には次のように呼ばれています。
春のお彼岸には → ぼたもち(こしあん)
秋のお彼岸には → おはぎ(粒あん)
材料となる健康食材の小豆ですが、種まき時期は4月~6月で、収穫時期は9月~11月です。
この小豆の収穫時期が呼び名に関わっているのです。
春のお彼岸は3月ですから、小豆を収穫してから保存期間は数ヶ月ありますよね。
さすがに小豆の皮がかたくなってしまうので、皮を除いて「こしあん」でぼたもちを作りました。
秋のお彼岸は9月ですから、小豆を収穫してすぐの新鮮な小豆を使用することが出来るので、皮もピチピチ新鮮で柔らかいので「粒あん」でおはぎを作ったのです。
今は市販のあんこでも簡単におはぎが作れちゃいますよ。
⇒ 市販のあんこで簡単なおはぎの作り方と冷凍保存や解凍方法は?
季節の花を意識して呼び名が変えられている
小豆の収穫時期だけでなく、春と秋それぞれの季節の花を意識して呼び名が変えられているとも言われています。
■春のお彼岸に供える「ぼたもち」
春に咲く花「牡丹(ぼたん)」から連想して「牡丹もち → ぼたもち(こしあん)」になりました。
牡丹の花は大きくて丸いので、ぼたもちは丸々と大きな形に作るとされています。
■秋のお彼岸で供える「おはぎ」
秋に咲く花「萩(はぎ)」から連想して「お萩もち → おはぎ(粒あん)」になりました。
萩の花は細長く小ぶりなので、おはぎは小さな俵形に作るとされています。
このように昔は、春のお彼岸の時期には「ぼたもち」、秋のお彼岸の時期には「おはぎ」、というふうに使い分けしていたのです。
現在では、保存技術が進み一年中質の良い小豆が手に入ることから、春の彼岸で「こしあん」でぼたもち、秋の彼岸で「粒あん」でおはぎと意識する必要もなくなり、どちらの時期でもこしあん・粒あんのおはぎが食べれるので、個人の嗜好で選ふことができるのです。
そのためか季節感が薄れ、ぼたもちと呼ばれることも少なくなっているように思われます。
おはぎと呼ぶ店が大半を占めるようになり、一年中おはぎと呼ぶのが一般的になってきているようです。
まとめ
お彼岸にお供えする「おはぎ」と「ぼたもち」は同じ食べ物でしたね。
最近は昔のように季節感がなくなってしまい、一年中好きなものが食べられるようになっています。
素晴らしいことなのでしょうが、なんだか情緒がなくなっていくようで寂しいような気もします。
しかし、一番大切なのは気持ちです。
お彼岸には「おはぎ」と「ぼたもち」の形や、あんこのことを考えながら、ご先祖様をしのびながらご家族で美味しくいただきましょう。
⇒ お彼岸にお墓参りする理由 いつ行くの?行けない時の対処方法は?
都合がついたらお墓参りにいってご先祖様に近況報告してみましょう。