鏡餅を食べる日「鏡開き」はいつなのか、かたくなったお餅の上手な割り方と美味しい食べ方や調理方法をお伝えします。
歳神様にお供えしたありがたい鏡餅は、「鏡開き」の日にお下げしてありがたくいただきましょう。
鏡餅を食べる日「鏡開き」はいつ?
歳神様をお迎えするためにお正月の間お供えをしていた鏡餅は、「鏡開き」をする日にありがたく食べ(いただき)ましょう。
そこで、「鏡開き」の日がいつなのかわかっていなければ話になりませんよね。
しっかり確認しましょう。
「鏡開き」はいつ?
一般的には、毎年1月11日です。
七草粥を食べたら、もう少しで「鏡開き」の日がやって来るとおぼえておくといいですね。
⇒ 七草粥とはいつ食べるの?食べる理由と春の七草の種類や栄養成分・効果
ただ、地域によってこの鏡開きを行う日は異なるようで、関西では1月15日に行う事が多いようです。
また京都では1月4日に行う地域もあるようです。
鏡開きとは
鏡餅を食べる日が確認できたところで、鏡開きとはどういう物なのかを知っておきましょう。
鏡開きの意味が分からないけど何となく行うのではもったいない気がします。
鏡開きとは、お正月に歳神様にお供えしていた鏡餅をお下げして食べるという風習です。
歳神様をお迎えするためにお供えをしている鏡餅には歳神様の魂が宿っているとされる事から、歳神様にお供えした鏡餅のお下がりを鏡開きをして食べる(いただく)ことで、歳神様の魂をいただけるということになるのです。
それには、歳神様の魂が宿った鏡餅の力を授かり、一年間の無病息災を願い、今年の仕事始めをするという意味があるんです。
だから鏡餅はお供えするだけではなく、お下がりを鏡開きして食べてこそ意味があるものなんですよ。
飾る(お供えする) → 開く → 食べる → 一年間の無病息災を願う
この一連の流れ全てを完了することで鏡餅の恩恵が受けられるということになるので、お供えした後お餅がカチンカチンでどうしたらいいのかわからないからと、そのまま「ポィッ」とゴミ箱へなんてことのないようぜひ家族みんなで必ず食べ(いただき)ましょうね。
どうして開くというのか
なぜ鏡開きというのか・・・
疑問に感じる人も多いでしょうね。
「割る」という表現の方が正しいような気がしますよね。
「鏡開き」と呼ぶようになったのにはつぎのような理由があるんです。
割るでは縁起が良くないということから、末広がりという意味を指す「開く」が使われるようになったと言われています。
かたくなった鏡餅の上手な割り方
お供えしていた鏡餅は、鏡開きの日にはカチンカチンにかたくなっています。
まるで石のようです。
家族で美味しく食べるためには、まずは割らなくては話になりませんよね。
この鏡開きを行う時には一つ注意が必要です。
それは、「鏡餅は包丁や刃物で切ってはいけない」という次のような風習があるんです。
●鏡開きは元々武家社会で始まった行事
どうして包丁で切ってはいけないの?
これまた疑問に思う人は多いですよね。
鏡開きは元々武家社会で始まった行事なので、包丁や刃物を使って鏡餅を切ると言う事は、武家社会では「切腹」を連想したのです。
常に生と死を意識しなければならなかった武士たちの間では、戦(いくさ)以外で死を連想させるものは極力避けたかったと考えられます。
このようなことから、鏡開きに「包丁を使う事は縁起が悪い。」ということになり鏡餅を割る時は木槌(きづち)や金槌(かなづち)などを使うことが定着したのです。
上手な割り方のポイント
木槌(きづち)や金槌(かなづち)などで少しずつひびを入れていき、ひびがしっかり入ったら勢い良く叩いて割るのが正式な割り方です。
この正式な割り方を頭に入れて、実際に鏡餅を割ってみましょう。
まず、割る前に鏡餅を良く見てください。
もしも鏡餅にカビが生えていたら、カビの部分は包丁でそぎ取りましょうね。
ここで刃物を使ってしまいますが、大きく切り刻むわけではないので少々大目に見てもらいましょう。
⇒ お餅の冷凍保存と賞味期限や解凍方法 カビが生えても食べられる?
鏡餅がしっかり乾燥している場合
●木槌や金槌で叩いて割る
木槌や金槌で叩き割ると簡単に小さくできます。
カチカチのお餅を包丁で無理やり切ろうなんて考えないでくださいね。
切り損じてバランスを崩したりしてとても危険です。
少しずつ叩いてひびを入れていき、ひびが大きく入ったところで思いっきり叩き割るのです。
この時、鏡餅の下には新聞紙を敷き、鏡餅の上にはふきんを当て叩き割るとお餅が飛び散ることはなく上手くいきますよ。
●木槌や金槌がない場合
木槌や金槌がない場合は、コンクリートやアスファルトに落下させて割りましょう。
なんだか大胆すぎる感もありますが大丈夫、心配いりません。
思い切ってやっちゃってください!
しかし、木槌や金槌などで叩く、落下させて割る、どちらにしても鏡餅がしっかり乾燥しきっていないと簡単に割る事は出来ません。
もしも、力を込めて叩いてもなかなか割れない場合は乾燥が足りていない状態と考えましょう。
鏡餅の乾燥が足りない場合
●水に浸してから手でちぎる
大き目のボールや鍋に水を張って、鏡餅をお水に浸しましょう。
お水に浸すと、手でちぎることができるくらいに戻すことができますよ。
小さいもので4~5時間程度、大きいものは半日程度の時間は必要です。
適当な大きさにお餅をちぎることができたら、あとは熱を加えて柔らかくするだけです。
●電子レンジで加熱して包丁で切る
水に浸してから手でちぎる方法を試しても思うように割れなかった場合は、電子レンジと包丁の力を借りましょう。
ラップなしで鏡餅を電子レンジにかけます。(目安は500W 約5~6分)
お餅の大きさや固さに合わせ、様子を見ながら少しずつ加熱します。
くれぐれも加熱のしすぎには注意してください。
表面は固く、中が消しゴムくらいのかたさになるくらいが理想です。
●大根を切った包丁でお餅を切る
水に浸してから手でちぎる方法を試しても思うように割れなかった場合は、大根の力を借りてみましょう。
大根を切った包丁でお餅を切る方法は、昔の人の知恵です。
大根に含まれるアミラーゼがお餅のでんぷんに働きかけることによって、お餅と大根の汁がついた包丁の接地部分が柔らかくなるため、切りやすくなるということです。
昔の人は、かたいお餅は大根を切った後に切っていました。
お餅を切っていて、お餅の切れ味が悪くなったら大根を切る。
そしてまたお餅を切るという、包丁に大根の水分をつけながらお餅を切るのです。
中には、鏡餅に包丁を使っては失礼にあたるのではないかと心配になってしまう方もいるかもしれません。
しかし、女性の力で木槌や金槌を使ったとしても、なかなか簡単に割るものではありません。
割れないから諦めて鏡餅がゴミ箱行きになるよりは、包丁の力を借りて美味しく食べる(いただく)ことを選んで欲しいと思います。
現代は武家社会ではありませんからね。
包丁や刃物を使っても「切腹」を連想することはないでしょう。
鏡餅に宿った歳神様の魂に感謝をし鏡餅を食べやすい大きさに分けて美味しく頂くことが大切なのではないでしょうか。
鏡餅の美味しい食べ方や調理方法
鏡餅が食べやすい大きさになったら、後は美味しく食べる(いただく)だけです。
美味しい食べ方はたくさんあります。
毎年、ぜんざいやお汁粉にしか利用していない人には必見ですよ。
■ゆでる
ゆでる調理方法は定番ですね。
かたいお餅もゆでることでとても柔らかくなります。
柔らかくなったお餅に、きな粉・あんこ・大根おろし・納豆などをかけて美味しく食べ(いただき)ましょう。
もちろんこのやり方で、定番のぜんざい・お汁粉・お雑煮に入れても美味しく頂けますよ。
■揚げる
お餅を揚げるという調理方法はとてもおすすめです。
子供から大人まで家族に一番喜んでもらえるのではないでしょうか。
我が家ではこの揚げて作るおかきが大評判で、家族は鏡開きが待ち遠しいと言っています。
【重要ポイント】
・お餅を細かく小さくすること
・お餅を十分に乾燥させること
・お餅は低温でじっくり揚げること
お餅を細かく割り、十分に乾燥させ、じっくり油で揚げて揚げおかきを作りましょう。
味付けは醤油、塩、どちらも美味ですよ。
市販されている揚げおかきの何倍も美味しいですからね。
食べだしたら止まりません。
■焼く
普通の切り餅と同様に焼いて美味しく食べ(いただき)ましょう。
まとめ
鏡開きや鏡餅には昔からの伝統、由来や意味がしっかりと込められています。
鏡餅は、食べてこそ意味があるものです。
今まで、鏡餅は固いしどう扱っていいかわからないから食べたことがなかったという人も、今年は鏡餅の割り方を覚えてぜひ試してみましょう。
思っているより簡単に食べやすい大きさになりますよ。
調理方法を工夫することでとっても美味しく食べられますので、処分せずに食べて、今年一年の家族の無病息災を願いましょう。
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お餅が上手く焼けない時に、試してみてください。