酉の市2021年はいつ?三の酉に火事が多いと言われる理由と縁起物の食べ物

酉の市の2021年の日程と歴史や由来、三の酉まである年には火事が多いと言われる理由と縁起物の食べ物についてお伝えします。

今年は11月のいつ?
三の酉まであるの?
酉の市に食べる縁起物は?
などと気になることが多い酉の市は、関東地方特有の年中行事です。

2021年の酉の市の日程と歴史や由来

毎年11月に開催される酉の市は、2回ある年と3回ある年があるんです。

その年の最初の酉の市を一の酉、二回目を二の酉、三回目を三の酉と呼びます。

酉の市の日程

今年2021年は二の酉までです。

一の酉  11月9日(火)
二の酉  11月21日(日)

酉の市とは

酉の市とは、毎年11月の酉の日に各地の鷲(おおとり)神社で行われる祭礼で、にぎやかな市がたつことから「酉の市(とりのいち)」といいます。
また、酉の祭(とりのまち)、大酉祭(おおとりまつり)、お酉様(おとりさま)などとも呼ばれています。

酉の市は、新年の開運招福・商売繁盛を願うお祭りとして江戸時代から続く年中行事として親しまれ、一番の名物は縁起ものがたくさんついた縁起熊手です。

酉の市の由来

神道では、日本武尊(やまとたけるのみこと)が関東に遠征し、鷲宮神社(埼玉県北葛飾郡鷲宮町)で戦勝祈願をしその後、遠征の祝勝を東京都足立区の花畑にある大鷲神社 鷲大明神(おおとりだいみょうじん)で行ったことが由来とされています。

これによって、日本武尊が亡くなったとされる11月の酉の日に「大酉祭」が行われるようになりました。
また熊手に関しては、日本武尊が戦勝のお礼参りをしたときに社前の松に熊手を掛けたことから来ています。

酉の市の歴史

酉の市の始まりは、江戸近郊に位置する花又村(現在の東京都足立区花畑)の大鷲神社にあるとされ、当初の祭りの形態は近隣の農民たちの鎮守である「鷲大明神」に秋の収穫に感謝し行われた収穫祭が酉の市の始まりだと伝えられています。

金銀財宝を詰め込んだ熊手で商売繁盛、開運招福を願ったのです。

熊手は運を「かっ込む」福を「はき込む」といって、江戸っ子らしい洒落の利いた縁起物です。
熊手は翌年の更なる招福を願い、年々大きな熊手に換えてゆくのがいいとされ、現代に引き継がれています。

 ⇒ 酉の市の縁起熊手の意味 粋な買い方と飾り方や処分方法は?

しかし、毎年毎年大きなものを買うことはできないという人はこちらの記事をチェックしてみてくださいね。

酉の市で三の酉まである年は火事が多いと言われる理由

酉の日に開催される酉の市ですが、酉の日は12日ごとに1度巡ってくるので、2回の年と今年のように3回ある年があるのです。

昔から「三の酉まである年は火事が多い。」と言われていて、火の用心につとめるという風習があります。

この風習は、「宵に鳴かぬ鶏が鳴くと火事が出る。」という言い伝えや、寒くなってくる季節なので火を使う機会が増えることから、注意を呼びかける意味などがあるようです。
しかし、実際にこの時期に際立つほど火事が多いのかというとそんなことも無いですよね。

ではどうして「三の酉がある年は火事が多い」と昔から言伝えられてきたのか、それには次のような諸説があります。

諸説 1

昔から「酉(とり)が天変地異を知らせる。」と言われていて、その酉の日が回も巡ってくる年だから。
「宵に鳴かぬ鶏が鳴くと火事がでる。」と言われた俗語からきています。

諸説 2

当時の江戸は、現代のような消防設備は整っていなかったので、火事が庶民の大敵で大変恐れられていました。
三の酉の頃は11月下旬、寒さが増し火を使う機会が増えることや、空気が乾燥する時期なので火に対する戒めからきています。

諸説 3

当時の江戸の男性は、酉の市に便乗して吉原へ出かけようとしていたようです。
そんな夫を家に引き戻すために女房たちは、「三の酉のある年は火事が多い」とか「吉原に異変がある」という噂を立てて広めたと言われています。

これらの3つの諸説から、ただの「言い伝え」のように思われますよね。
しかし、実際にこの言い伝えの根拠となった大火災が発生していたのです。

それが、「明暦(めいれき)の大火」です。

この大火災は、明暦3年(1657年)の1月18日に起こり、なんと2日間にわたり江戸の町の大半を焼き尽くすという大惨事で、とてつもないものだったと言います。
そしてこの年が、三の酉まである年だったkとから単なる言い伝えだけで終わらなかったのでしょう。

三の酉がある年は火事が多いと言われる諸説と実際に大惨事が起こったこの偶然の一致が基になり、火に対する戒めや慎みから「三の酉のある年には火事が多い。」と約400年近く経つ現代に言い伝えられるようになったのです。

消防設備が整っている現代でも火事は大変怖いものです。
全てが一瞬にして灰になってしまい、命も落としてしまうこともあります。
十分に気をつけましょうね。

今年は三の酉まであるので火事には十分注意しましょう。

 ⇒ 火事見舞い時 のし袋と表書きや声かけの言葉&手紙の例文を紹介

あまりあって欲しくないことですが、参考にして下さい。

酉の市の縁起物の食べ物

代表的な酉の市の名物は縁起熊手ですが、縁起物は食べ物にもありますよ。
江戸時代には酉の市に縁起物として、「頭の芋(とうのいも)」「黄金餅(こがねもち)」が売られていました。

●頭の芋(とうのいも)
・かしらになって出世する。
子宝に恵まれる。

今でいう八つ頭のようなもので、蒸して笹に通して売られていました。
現在の浅草酉の市では、頭の芋を商う店は一軒だけです。

●黄金餅(こがねもち)
お金持ちになる。

栗を使ったお餅でしたが、幕末になると黄金餅 →「切り山椒」に変わります。
現在、黄金餅(粟餅)は見当たりませんが、切山椒(きりさんしょ)と呼ばれるお菓子が名物です。

切山椒は、山椒の香りと柔らかいモチモチとした食感で、白、緑、桃色と見た目はとても素朴でほのぼのとした和菓子です。

実際にはこんな感じの餅菓子です。
私は桃色(ピンク)がお気に入りです。

寒さが厳しくなってくる11月に、この切り山椒を食べると風邪を引かないと言われていて、今でも酉の市で売られている縁起物なんです。

切り山椒が入っていた袋の裏側にも、江戸時代からに酉の市で売られてる縁起物ものと紹介していますよ。

また袋の表側には、「なでおかめも」も登場しています。
今年は縁起物の食べ物もチェックしてみましょう。

私は、浅草にある「梅園」のこの切山椒(きりさんしょ)が大好きでよく食べています。
しかし、当初は酉の市の縁起物とは知っていて食べていたのですが、切り山椒を食べると風邪を引かないという効能を知った時には、もうびっくりするやら、嬉しいやら得した気分になりましたよ!

まとめ

今年の酉の市は2回です。
酉の市の由来や歴史を知るとまた違った楽しみかたができるのではないでしょうか。

また酉の市は大きな熊手が印象的ですが、縁起熊手以外の露天も沢山でるので熊手には興味がないという人にとっても楽しめます。

ぜひ、縁起物の切山椒(きりさんしょ)を食べてみましょう。
素朴な味にハマっちゃうかもしれませんよ。

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酉の市の次は家の中で冬至を楽しみましょう。