
しじみには体に良い効果をもたらす栄養成分が含まれています。
また冷凍保存が出来る優れものなのですが、冷凍した場合のしじみの栄養成分はどうなってしまうのか、多くの人は気になっているようです。
そしてしじみを冷凍する前に砂抜きは必要なのか、解凍はどのようにしたら良いのか、冷凍での保存期間はどれくらいなのかわからないと言う人も多いですよね
そこで、冷凍保存した場合のしじみの栄養、砂抜き後の冷凍保存方法や解凍方法、冷凍保存期間について紹介します。
参考になれれば幸いです。
では本題に入りましょう。
しじみの栄養は冷凍保存でどうなるの?
しじみは肝臓に良く効くと言われていますが、肝臓以外にも体に良い効果をもたらす栄養成分が含まれているので、できるだけ体に摂り入れたい食品ですよね。
しかし最近ではしじみのお値段は高いので、スーパーのタイムサービスのときなど安い時にたくさん買っておけたらと思う主婦も多いでしょう。
そんな主婦の思いにぴったりな、冷凍保存という強い味方がいます。
意外にあまり知られていないのですが、しじみは冷凍保存におすすめの食材なのです。
でも冷凍保存したことで、「しじみの栄養成分や美味しさが損なわれてしまうのではないの?」と心配する人もいるようで、安くなっていてもなかなかまとめて買う人はいないようです。
一般的にほとんどの食材は、冷凍してしまうと栄養成分や美味しさが損なわれてしまいます。
多くの人が野菜などを冷凍した場合、味や鮮度が落ちてしまうことを経験していることでしょう。
確かに、野菜に含まれるビタミンなども冷凍することによってほとんど失われてしまいます。
だからしじみも同様に、「体に良いと言われているしじみの栄養成分だってなくなっちゃうでしょ。」と思う人がいても不思議なことではありませんね。
私も、以前は冷凍しじみには栄養なんてないんじゃないかと思っていました。
実際に生協の共同購入で、冷凍しじみがありましたが買えませんでしたよ。
しかし、なんとびっくり「しじみは例外」なのです。
しじみの場合、食材は冷凍するとその栄養価は失われるという常識が通用しません。
詳しいメカニズムは判明していないということなんですが、ー4℃で一定に冷凍しておくと冷凍のしじみは生のしじみに比べて、オルニチンの量が8倍以上になるそうです。
オルニチンは、二日酔いの朝にアルコール分解でフル活動しなければいけない肝臓の働きを助け、アルコールをしっかり分解できるよう肝臓の解毒システムをサポートしてくれる嬉しい成分です。
さらに、しじみを冷凍することで得られるメリットは、栄養成分だけではありません。
しじも自身の味も、生より美味しくなると言われているのです。
しじみのお味噌汁は何と言っても深い味わいのだしが魅力ですよね。
このだしはコハク酸という栄養成分が出すのですが、このコハク酸の旨味成分は冷凍保存することによって生のしじみの3倍以上にもなるそうです。
では他の貝でも冷凍すれば同じように嬉しい現象が現れるのかと思ってしまいますが、残念なことに「しじみだけ」だそうです。
「しじみのパワー恐るべし!!」ですね。
ということで、特にしじみは積極的に冷凍保存して利用してほしい食材です。
しじみの砂抜きと冷凍方法
冷凍保存する時に迷うのが、「しじみの砂抜きはどうしたらいいの?」ではないですか。
やはり生のしじみで使用する時と同様に、冷凍する前にもしっかりしじみの砂抜きは行ってください。
それでは、しじみの砂抜きと冷凍方法を紹介しますね。
しじみの砂抜き方法
しじみは美味しいですが、砂抜きが不十分で食べた時に口の中で「ジャリッ」としたら後味悪く台無しになってしまうので、しっかりと砂抜きをしましょう。
用意するもの
・料理用ボール(鍋でも可)
・ザル(ボールの中に入る大きさの物で口が広く、浅いものが理想的)
・塩
・水
手順
1.料理用ボール(鍋でも可)に宍道湖の塩分濃度と同じ0.3%の塩水を作ります。(1Lの水道水に約3gの食塩)
2.しじみは流水でこすり合わせるようにして洗います。
3.しじみをザルに入れます。
この時、しじみ同士を重ねてしまうと上のしじみが吐き出した砂を下のしじみが吸い込んでしまうので、しじみはなるべく重ならないよう注意してにザルに並べましょう。
4.しじみを入れたザルを塩水の入った料理用ボールに入れます。
ザルは料理用ボールの底から離した状態にして、しじみが水面には出ない程度(塩水が多すぎると貝は窒息死してしまう)に塩水の量は調整しましょう。
ザルと料理用ボールの間に隙間を作ることで、しじみが吐き出したものを再び取り込むことがありません。
5.暗い場所で、夏は3~4時間、冬は4~5時間位置きます。
貝は暗い環境にすると砂をよく吐き、周囲に水も吐くので料理用ボールに新聞紙を乗せておきましょう。
この時冷蔵庫に入れるのはNGです。
温度が低すぎてしじみが砂を吐き出しません。
また、一度砂抜きをしたしじみは弱ってしまうので、作業をする4~5時間前に行うのが最適です。
長くても寝る前に砂抜きを始めたら、朝起きたころにはしじみを塩水から出しましょう。
これで砂抜き完了です。
しじみの冷凍方法
1.砂抜きが完了したら、キッチンペーパーなどでしっかり水切りをして、ジップロックなどの冷凍用ビニール袋になるべく平らに重ならないようにして入れて、空気を抜きます。
この時、死んでいるしじみが混ざっていると、他のしじみにも臭いが移り食べられなくなってしまうので、貝が半開きになっていて触っても口を閉じないしじみや、殻が割れているものは取り除きましょう。
2.しじみを入れたジップロックなどの冷凍用ビニール袋を、新聞紙に包んで冷凍庫の開閉の多い場所に入れることで、なるべくゆっくりと冷凍保存します。
通常、食材を例つ保存する時は急速冷凍しますが、ここでも「しじみは例外」です。
3.しじみの量が多い場合には、1回分ずつ使用する量をラップに包んでからジップロックなどの冷凍用ビニール袋に入れると良いでしょう。
そして、2時間くらいして半冷凍状態になったらしじみ同士がくっつかないように、ジップロックなどの冷凍用ビニール袋を揉みましょう。
これで冷凍作業完了です。
冷凍しじみの解凍方法と保存期間
それでは、冷凍したしじみの解凍方法と保存期間について紹介します。
冷凍しじみの解凍方法
冷凍したしじみは、冷凍庫から使いたい分だけを取り出して、そのまま調理しましょう。
再冷凍は絶対に厳禁です。
殻のまま冷凍したしじみは、自力では貝殻は開きません。
急激な温度変化で殻の口が開くので、水からではなく水を沸騰させた熱湯にしじみを入れ調理をしましょう。
他の調理法の場合でも同様で、ポイントは殻が開くまでは必ず強火で加熱し続けましょう。
この時、必ず火にかける寸前に冷凍庫から取り出しましょう。
自然解凍はNGです。
殻が開かなくなってしまうので、注意しましょう。
冷凍しじみの保存期間
冷凍しじみの保存可能な期限は、1~2ヶ月と比較的長いので、毎日少しずつお味噌汁に入れて楽しむのも良いですね。
スーパーの店頭でしじみの特売をやっていたら迷わず購入しちゃいましょう。
こちらの記事も参考にしてください。
しじみの旬の時期と栄養は?味噌汁の具は食べるほうがいいの?
まとめ
しじみは生でも体に嬉しい栄養素がたっぷり含まれている食材ですが、冷凍することでさらに栄養成分も美味しさもアップする嬉しい食材です。
砂抜きをしっかりしてから冷凍保存しましょう。
解凍は熱湯に入れればOK。
自然解凍では、殻が開かなくなってしまうので気をつけましょう。
また、再冷凍は絶対に厳禁です。