だるまの由来と赤い意味や後から目入れをする理由

だるまの由来と意味や赤い理由、また購入した後に目入れする意味についてお伝えします。

だるまは縁起物といわれ主に赤色ですが、カラフルな15色のだるまも存在します。
それぞれどんなご利益があるのか確認しておきましょう。

だるまの由来

私たち日本人にとって「だるま」はとても身近な縁起物です。
無病息災、家内安全、合格祈願、選挙の必勝祈願、子宝祈願、商売繁盛など、様々な願掛けに使われていますよね。

しかし、身近な縁起物の「だるま」ですが、その由来や意味について知らない人が多いのも確かです。

縁起物として身近に置くなら、だるまのことをわかっていた方がさらにご利益がありますよね。
今年は、だるまのことをしっかり理解してからだるま市に行ってみましょう。

達磨大師に由来しているだるま

だるまは漢字で書くと「達磨」となります。
この漢字の「達磨」が示すように、だるまは達磨大師に由来しているといわれています。

●達磨大師とは
インドの皇子である達磨大師(本名 菩提達磨 ぼだいだるま)は、中国禅宗の開祖とされているインド人仏教僧です。

修行の為に嵩山少林寺にて、9年間壁に向かって坐禅し続け悟りを得たと言われています。
あまり長い間座禅をしていたために、手足が腐ってしまったという俗説があのユーモラスなだるまを生んだとも言われているんです。

しかし俗説とは言え、手足が腐っても座禅を続けていたような話は、達磨大師に何だか失礼ですよね。
達磨大師とあろう人物が手足が腐り始めてもなお座禅をするなんてありえません。

そんな風に感じたのは私だけでしょうか?

●だるま発祥の地  少林山 達磨寺
だるまの発祥の地は、群馬県高崎市の「少林山 達磨寺(しょうりんざん だるまじ)」と言われています。

水戸光圀が帰依していたとされる心越禅師(しんえつぜんじ)が開いた寺で、心越禅師が書いた一筆書きの達磨像を9代目住職である東嶽(とうがく)和尚が木型に作り、天変地異の邪気を祓う呪物として農民に伝授したのが始まりと伝えられています。

だるまの元となったのが一筆描きの達磨像だったので、そこに手足はないというの理解できますね。

そうなると、あの長時間座禅していた為に手足が腐ってしまったという達磨大師に関しての俗説はどうなのかな? と思ってしまいますね。

だるまと赤い色の意味

だるまにはどんな意味があるのか、どうして赤い色をしているのか?
しっかり確認しましょうね。

だるまの意味

日本には古くから、「おきあがりこぼうし」「おきあがりこぶし」などと呼ばれる底におもりがついている、重心が低くて転がしてもすぐ起き上がる(七転び八起き)玩具がありました。
この玩具の「七転び八起き」の縁起と結び付いて、玩具意外に置物される七福神やだるま(達磨)の姿のものが作られました。

「おきあがりこぼうし」「おきあがりこぶし」と「だるま」が融合したのです。
安定した形の「だるま」は、どんな困難でも対処できる落ち着きや忍耐力を表し、あるべき心の姿を示しているとされているのです。

だるまには、倒しても何度でも起き上がってくる七転八起の意味もあるとして、無病息災、家内安全、合格祈願、選挙の必勝祈願、子宝祈願、商売繁盛など祈願する縁起物となったのです。

だるまはなぜ赤色なの?

だるまのイメージは赤ですよね。
真っ先に赤色を思い浮かべる人がほとんどでしょう。

最近では色々とカラフルなカラーのだるまも見るようにはなりましたが、やはり基本カラーは赤色です。

だるまが赤い色をしている理由は次のように諸説があります。

●魔除けとして
古くから、疱瘡(ほうそう)は高熱が出て失明や死にいたる怖い伝染病と恐れられていました。
疱瘡は天然痘(てんねんとう)ともいわれています。

日本では奈良時代の頃から、疱瘡が何度か流行を繰り返し、子どもだけでなく大人までも多くの死者を出しました。
江戸時代に入って、疱瘡が伝染病であることは分かってきてもその治療法はなかったため、自然に治癒するのを待つしかない病と人々はあきらめ、神に祈ることが唯一の治療法と考えていたのです。

ちなみに中国では、疱瘡は疱瘡神という悪い神様のたたりとされてきました。
この疫病神をさけるために考えられたのが「赤色のパワー」を活用することだったのです。

古来から火や血の色である「赤は魔除けの効果がある」と信じられていて、病や災いには特殊な力を秘めている赤色を持っていれば防げると考えられていたのです。

ここから疱瘡神は赤い色をいやがるという迷信が生まれ、赤い色をしたものを身近に置いたり壁に貼ったりして疱瘡神を追い払ったり、逆に赤い色に疱瘡神をとりつかせたりする、疱瘡除けの風習が生まれたんです。

今では疱瘡の治療法も発見され、私たちは疱瘡を恐れる必要はありません。
赤色のパワーに頼らなくてもよい時代になりましたが、当時の名残りがだるまの「赤」に残っているのです。

実際にいまでも神社の鳥居は赤色に塗られているところは多いですよね。
これも、赤は魔力・災厄を防ぐ色と考えられ、神様のお力を高める役割りがあるとされています。

●達磨大師の着ていた衣の色
由来に登場した達磨大師の着ていた衣の色が高僧が身につける赤(朱色)でした。

仏教の世界では位の高いお坊さんは、緋(ひ)の衣といって赤い法衣をまといます。
この法衣の赤(朱色)からだるまが赤になったとも伝えられてます。

●陰陽五行説(おんようごぎょうせつ)の影響
陰陽五行説(おんようごぎょうせつ)の影響とも言われています。

達磨大師は、木・火・土・金・水の五気にあてはめると「火」、さらに坐禅している姿は三角形に見えるため「炎」の型となります。
火も炎の色もどちらも「赤」です。

このように日本では昔から、病気や災いは赤色を身につけることによって防ぐ事ができると考えられてきたのです。
現代でも還暦のお祝いには、赤いちゃんちゃんこを着たり、赤い物を贈ったりしますよね。
還暦の赤にも「魔除け」といった意味合いがあるのです。

だるまの色がもつご利益

だるまは基本的には赤ですが、上州のだるまにはカラフルものも売られています。

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なんと15色も存在しているので、それぞれの色のご利益を確認しましょう。

【赤】家内安全 / 開運吉祥
【黄】金運 / 幸運 / 夢の実現
【青】学業業向上 / 才能向上
【緑】身体健勝 / 才能開花
【黄緑】無病息災 / 精神安定
【桃色】恋愛成就 / 愛情運
【オレンジ】子宝成就 / 災難除け
【紫】健康長寿 / 品格向上
【ローズピンク】良縁成就 / 結婚成就
【スカイブルー】潜在能力開花 / 心の安定
【ペールブルー】災難災害除け / 厄除け
【金】金運向上 / 仕事運
【銀】自己実現 / 安産吉祥
【白】受験合格 / 目標達成
【黒】商売繁盛 / 事業繁栄

目のないだるまに後から目入れする意味は?

江戸時代に疱瘡(ほうそう)が流行ったときに、だるまの目入れが始まったと言われています。
それ以前はだるまに目を書き込んで販売していたので、購入後に目入れをするという行為はなかったんです。

多くの人々が疱瘡にかかり視力を失ったことから、目が綺麗に描かれているだるまがとても人気になりました。
しかし逆に、目の描き方が雑なだるまは売れ残ってしまったのです。

そこで、だるまを売っていた人たちは売り残りをなくすために、「目なしだるま」を用意して購入者に目を描かせようと考えたのです。

そこから購入者がだるまに目を入れる事で疱瘡を避けるという風潮が生まれます。
次第にだるまは仏像と同じように拝まれるようになり、目を入れることを「開眼(かいがん)」と呼ぶようになりました。

時間の流れとともに「願い事があるときに片目を入れ、願いが叶ったらもう片方にも目を入れる。」という儀式が行われるようになったのです。

このような歴史から、「目なしだるま」に目を入れる行為は「縁起が良い」とされているのです。

まとめ

だるまの形状は達磨大師からの由来からきたもので、赤い理由は魔除けの意味があったこと、だるまが目なしで後から目入れをするのは、江戸時代の疱瘡を避けたいという風潮から生まれたものです。
このようなことから、だるまは縁起物と言われるのです。

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だるまの事がわかった今年、「だるま市」でだるまを購入し、七転び八起きの精神で明るい年になるよう努力しましょう。