
認知症と物忘れってどう違うのでしょう。
親の様子がおかしいかも?
以前から物忘れがひどかったけれど、もしかしたら認知症なの?
このような不安を抱えている子供は少なくありません。
こんな時、病院は何科を受診したら良いのでしょう。
また、病院には行かないと言われたらどうしたらいいのでしょう。
そこで、認知症と物忘れの違い、何科を受診するか、受診拒否された場合について紹介します。
参考になれれば幸いです。
では本題に入りましょう。
認知症と物忘れの違い
認知症による物忘れと健康な人の物忘れは全然違います。
頻繁に物忘れがあると、もしかしたら認知症になったのではないと不安に思う人がいるかもしれません。
でも物忘れがあるからと言って認知症とは限りません。
正常な脳の老化現象(加齢)でも、物忘れは起きるんです。
なんと、脳の発達は20歳までで終わってしまいます。
その後、脳は徐々に小さくなっていくのですが、脳が小さくなってくるとそれに伴い神経細胞も減ってきます。
そして、記憶する力も徐々に退化してしまうのです。
まだまだ若い40代位でも「あれ? どこに置いたかしら?」などと、うっかり忘れてしまったという経験を持つ人は多いですよね。
40代でもこのような物忘れがあるのですから、70代、80代の年齢の人が物忘れをするのはごく普通の事なのです。
では、親の物忘れが認知症によるものなのか、加齢からきたものなのか、その違いを紹介します。
認知症と物忘れの違い 例1.
「印鑑をどこにしまったか忘れてしまい、探している。」とか、「家の鍵をどこかに置き忘れた。」のような場合は、次のような違いとなります。
健康な人の加齢による物忘れの場合
健康な人の加齢による物忘れの場合、「印鑑をしまったこと」、「鍵を置き忘れたこと」、これらの出来事は覚えています。
つまり、自分がしまった、置き忘れたことは覚えているのです。
認知症による物忘れの場合
認知症による物忘れの場合は、「印鑑をしまい忘れたこと自体を忘れる」「鍵を置き忘れたこと自体を忘れる」というものです。
つまり、自分はなにも知らない、自分は悪くないということになるのです。
だから認知症の人に良くあるのが、「印鑑がないじゃないか。きっと盗まれたんだ。」とか「鍵をなくされた。」と頑固に言い張ったり、身近な家族を犯人扱いして怒ることがあるのです。
これは、認知症の物忘れが「経験(体験)の喪失」と言われるとおり、自分が忘れていること自体を忘れて思い出せない、自覚することができなくなっているのです。
認知症と物忘れの違い 例2.
「今朝、何を食べたの?」と聞いてみます。
健康な人の加齢による物忘れの場合
健康な人の加齢による物忘れの場合は、なかなかメニューが浮かんでこなくて何だったかなと考えてしまいます。
でもその時に、「卵は食べた?」などヒントをもらえば、「あっ、そうそう、目玉焼きを食べたわ。」と思い出す事ができます。
このような加齢による物忘れは、記憶した物をしまっておく引き出しが中々開かないだけで、引き出しの中には記憶した事がしっかり残っています。
引き出しを開ける事さえできれば思い出せるのです。
認知症による物忘れの場合
認知症による物忘れの場合は、「朝ごはんなど食べてない。」となっちゃうんです。
メニューどころではありません。
食べた事自体を忘れてしまうのです。
認知症の場合は、記憶の引き出しの中に記憶が残っていません。
だからいくら引き出しを開けても何も思い出せないんです。
認知症でよくあらわれる症状
・同じことを何度も言ったり、聞いたりする。
・以前はあった物事への関心や興味が薄れてくる。
・置き忘れやしまい忘れが増える。
・財布や大事なものを盗られたと騒ぐ。
・日付や時間の認識があいまいになる。
・ささいなことで怒りっぽくなる。
このようなことが頻繁に起きたり、気になる時は早急に病院を受診させましょう。
認知症の疑いがある時に病院は何科を受診させたらいい?
認知症は早い段階で発見出来るのが一番と言われています。
早期発見、早期治療が進行を遅らせるポイントになるのです。
何科を受診させればいいのか分からなくて、病院に行くのが遅くなり認知症が進行してしまう場合も多いのです。
認知症は、脳の神経細胞や働きに異常が起こることで発症するので、脳神経外科や神経内科、神経科などで受診するのが一般的です。
ただ認知症にもいろんな種類があるので、脳の神経だけが関係しているとは限りません。
精神的なことで発症していたり、老化が原因のこともあります。
精神科や老年科がある場合には、そこで受診しても良いでしょう。
物忘れ外来の名称で診察を行っているところもありますよ。
受診する場合は、事前に電話で問い合わせをするのがよいでしょう。
病院によっては、予約が必要なこともあります。
近くの病院にこのような専門的な診療科が無い場合は、地域の保健所や保健センターに問い合わせて相談してみましょう。
精神保健相談窓口などもあるので、そういった窓口を利用するのも良いですね。
親の物忘れがひどくなった、言動や行動がおかしいと感じたら、とりあえず専門家に診てもらうのが一番です。
認知症の疑いあるけれど病院には行かないと言われたら?
親の物忘れがひどくなって、言動や行動がやっぱりおかしいということで、一緒に病院に行こうと誘っても、親本人から絶対に病院には行かないと拒否されたらどうしたらいいのでしょう。
どうすれば病院に行ってくれるのか悩んでいる子供たちは多いでしょう。受診してもらえるのでしょうね。
「健康診断に行こうよ。」「私の調子が悪いから病院に付き添ってくれる?」などとごまかして病院に連れて行っても、認知症の人はすぐにだまされたことに気づきます。
その場では怒りをあらわにしなかったとしても、その後どんなに説得しても病院には行くことはないでしょう。
信頼関係は崩れて、家庭内で認知症の親が家族を攻撃するような言動や行動があっても不思議ではありません。
子供が良かれと思ってしたことでも、だますことは認知症の人にとって混乱を招いてしまうのです。
それではどうしたらいいのか、ここからが重要です。
まだ初期症状であるならば、本人に最近の物忘れの状況を説明して、早く治療すれば物忘れの進行を遅らせられることが出来ると説明しましょう。
親本人に、今までの物忘れの例を挙げて、そのことで周囲が困ったことを伝えるのです。
そして、「治療をすれば治る物忘れもあるので、早く専門家に診てもらおうね。」と受診を勧めてください。
受診を勧める時に、この一言を付け加えましょう。
「私(家族)の為に診てもらって欲しい。」、「(貴方が)認知症になったら、私がとっても困ってしまうからお願いします。私の為に診てもらってください。」とお願いしてみましょう。
認知症の人も、まだ家族への気遣いは十分残っているはずです。
残っていて欲しいですね。
きっと本人も、以前と違う自分に何かおかしいと気づいていて、だからこれからどうなってしまうのか不安で、病院に行くのが怖いのかもしれませんね。
だから家族から「物忘れがひどい。」、「ぼけちゃったの?」、「ほんと困ったわね。」なんて言われると、抵抗するために「ぼけてない」と言い張るしかないのでしょう。
家族は、このようなご本人の気持ちを分かった上で、心配しているのよ、バカにしているんじゃないのよと、根気よく心を込めて病院に行って欲しいと説得してみましょう。
まとめ
認知症は早い段階で発見出来るのが一番ですが、症状が段々進むと自分では物忘れをしている自覚がありません。
だから家族が早いうちに認知症かもしれないと気付くことが重要なのです。
こちらの記事も参考にしてください。
認知症の4つの種類と症状は?家族はどう対応したらいい?
おかしいと感じたら根気よく説得して、検査を受けに病院へ連れていきましょう。