認知症の4つの種類と症状は?家族はどう対応したらいい?

認知症は病気で4つの種類があります。

しかし、「親の様子がおかしい? もしかしたら認知症?」と悩む家族は多いですが、よく耳にする認知症という言葉は知っているものの、そもそも認知症とはどんな病気なのか理解できている人は少ないのではないでしょうか。

実際、認知症になるとどんな症状が現れてくるのか、家族はどう対応したらいいのかわからず不安ですよね。

私も母が認知症と診断された時、まさにこの状態だったのです。

そこで、認知症の4つの種類、2つの症状(中核症状 と 行動、心理症状)、家族の対応のついて紹介します。

参考になれれば幸いです。

では本題に入りましょう。

認知症の4つの種類 どんな病気なの?

一般的に認知症とは、老いにともなって発症する病気の一つです。

誰でも年をとるとそれにともなって、思い出したいことがすぐに思い出せなかったり、思い出しても言葉に出なかったり、また新しいことを覚えるのが困難になってきますよね。
だから家族は、「親の様子がおかしい? もしかしたら認知症?」と一度は思ってみるものの、「まさかね、そんなはずはない。年を取れば物忘れが多くなるのはしょうがない。」と思い込ませてしまいます。

 

私の場合がそうでした。
認知症という病気がどんなものかわからなかったこともありましたが、しっかりしていた母は認知症とは縁がないと思い込みたかったのです。

 

しかし認知症は、このような加齢による単なるもの忘れとは根本的に違うのです。

 

認知症は、異常なタンパク質が脳に溜まること、脳の神経細胞が死ぬこと、または脳の働きが悪くなることで発症し、記憶や判断力になどに障害が起こってきます。
意識障害はありませんが、社会生活や日常生活、対人関係に支障が出ている状態(およそ6ヵ月以上継続)をいいます。

代表的な認知症には、次の4つがあります。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、物忘れ(記憶障害)から始まり認知症の中で最も多く、男性よりも女性に多く見られます。

脳にアミロイドβやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まり、神経細胞が破壊され死んでしまい減っていく為に、認知機能に障害が起こると考えれています。
そして段々と脳全体も委縮して、身体の機能も失われていきます。

 

「アルツハイマー」と「若年性アルツハイマー」の違いは発症年齢のみです。
医学的な診断基準の差はなく、65歳未満でアルツハイマー型認知症を発症した場合に「若年性アルツハイマー型認知症」と診断されます。

脳血管性認知症

脳血管性認知症は、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などによって脳の血管障害によって起こる認知症のことです。
脳の血管が詰まっている梗塞巣が増えたり大きくなったりし、一部の神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなることで、神経細胞が破壊され神経のネットワークが壊れ、段々と脳の機能が低下し認知症や運動障害が起こると考えられています。

 

高血圧・高脂血症・糖尿病などにならないように生活習慣の改善が重要で、脳血管障害を早期に治療してリハビリを行えば、症状の進行を抑えることも出来ると言われています。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、パーキンソン病(幻視や筋肉のこわばり)なるレビー小体というたんぱく質が脳にたまることで起こる、脳の萎縮が原因だと言われています。

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、初老期に発症することが多いのですが原因はわかっていません。
10年以上かけてゆっくり進行することが多いようです。

 

このような認知症は遺伝するものなのか心配になりますよね。
私の場合、母が認知症を発症し伯母も最近認知症と診断され不安になりましたが、遺伝によるケースは稀と言われています。
また認知症は、老人だけに発症する病気ではなく働き盛りの世代でも発症するおそれもあって、誰にでも起こりうる病気なのです。

認知症の気になる2つの症状(中核症状 と 行動、心理症状)

誰にでも起こりうる病気の認知症の気になる症状を紹介します。

認知症には、「中核症状」と「行動、心理症状」の2つの症状がみられます。

中核症状

中核症状は、脳の神経細胞が死んでいくことによって直接発生する症状です。

周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなる次のような障害が現れます。

記憶障害

新しいことを記憶できなくなります
ついさっき聞いたこと、したことさえも思い出せないんです。(短期記憶障害)

 

私の母の場合、顔を洗ったこと歯を磨いたことも忘れ1日に何回も顔を洗うので、肌が荒れてしまうほどです。
また、頻繁に何回も歯を磨くので、歯磨き粉の減りはものすごい勢いです。

しかし、まだ顔を洗っていない歯を磨いていないと訴えてきます。

 

そして、さらに病気が進行すると、以前覚えていたはずの記憶さえも失われます

見当識(けんとうしき)障害

見当識(けんとうしき)とは、現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど、基本的な状況を把握することです。

時間季節感の感覚が薄れてきます。

その後、迷子になったり遠くに歩いて行こうとしたりするようになります。

 

さらに病気が進行すると、自分の年齢家族などの生死に関する記憶がなくなります。

理解・判断力の障害

思考スピードが低下してきます。
2つ以上のことが重なると、話している相手が誰なのかわからなくなるなど、考え分けることができなくなります。

ささいな変化やいつもと違う出来事で混乱が起こりやすくなります。

 

例としては、
・常に倹約を心がけているのに必要のない高額商品を購入してしまう。

・自動販売機や駅の自動改札、銀行のATMの前などでまごついてしまう

実行機能障害

スーパーなどに買い物に行き、同じものを購入してしまいます。
冷蔵庫に同じものばかりたくさん入っているようなことが頻繁に起こります。

また、味噌汁を作りながら、他の料理の下ごしらえが出来ないなど、料理を並行して進められなくなります

そして自分で計画を立てられない、予想外の変化に対応できないなど物事をスムーズに進められなくなります。

感情表現の変化

その場の雰囲気や状況がうまく認識できなくなり、周りの人が予測しないような思いがけない感情の反応を示すようになります。

行動、心理症状

行動、心理症状とは、本人がもともと持っている性格や環境、人間関係などの様々な要因がからみ合って起こる、うつ状態や妄想といった心理面、行動面の症状です。

主な症状

・自分のしまい忘れから → 他人へのもの盗られ妄想が起こります。

・能力の低下を自覚して → 元気がなくなり引っ込み思案になります。

・今まで出来たことが上手く出来なくて → 自信を失いすべてが面倒になります。

・家族が自分の財産を狙っているといったオーバーな訴えをします。

・行動がちぐはぐになって徘徊がはじまります。

認知症 家族はどう対応したらいい?

親が、夫が、妻が、兄弟が、「認知症かも?」
こんな時、家族はどう対応すれば良いのでしょう。

 

多くの人が迷い悩むでしょう。
しかし、「でも、まさか、思い違いかも、様子を見よう」と自分の中で納得させてしまうことが多いようです。

認知症の始まりは、ちょっとしたもの忘れであることが多いのですが、「きっと老化現象とだわ!」と思いたい、家族だとそうであってほしいと願ってしまうものですよね。
誰でも、自分の大切な人が、家族が認知症になってしまったなんて疑いたくもないし、考えたくないですから。

 

しかし、「でも、まさか、思い違いかも、様子を見よう」と自分の中で納得させてしまうことはNGです。

 

「認知症かも?」と感じたら早めに専門医を受診させることが重要です。
「あれ、何かおかしい?」と感じたあなたの感は当たっています。
見逃さないでくださいね。

 

認知症を放置していたら悪化してしまいます。
できるだけ早く信頼できる医師を探しましょう。
認知症は完治することはありませんが、早期に診察をうけ、薬を処方してもらうことで症状の進行はゆるやかなものになります。

 

ただ、早期発見には難しいこともあるんです。
認知症の初期のころは、物忘れがひどくなってきたことを本人が自覚していても、人に悟られまいとするんです。

言い方は悪いですが、取り繕うんです。
失われていく記憶や感覚などの「弱み」を人とのやり取りの中で露呈することをおそれ、本能的に補おうとしているのではないかとも言われています。
これは認知症の人に限らず、私たちにもあり得ることですよね。

 

私はこれで、母の認知症を何年も見過ごしてしまいました。
離れて暮らしていたこともあって、母は私や家族の前で、必死に頑張り、強がっていたのでしょう。

「あれ、何かおかしい?」と感じた時に、「でも、まさか、思い違いかも、様子を見よう」と自分の中で納得させてしまわないで、直ぐに行動を起こしていたらと強く後悔しています。

本人の「大丈夫!どこも悪いところはない。」などの答えを鵜呑みにしてはいけません。

あなたや家族の感を信じ、なるべく早く医師に正確な診断をしてもらうことから始めましょう。

まとめ

家族が感じる「あれ、何かおかしい?」それはたぶん間違っていません。

認知症に症状を見逃すことなく、なるべく早く専門医を受診させましょう。

こちらの記事も参考にしてください。
認知症と物忘れの違い 病院は何科に行く?行かないと言われたら?

大切な人が認知症と診断されることは家族にとってつらいですが、避けていても何一つ解決しません。
家族が協力し合い前向きに認知症を発症してしまった大切な人に寄り添っていきましょう。