仏壇にあげるお線香の本数と鐘を鳴らす回数 お墓参りには何本?

仏壇にあげるお線香の本数と鐘を鳴らす回数やお墓参りの際のお線香の本数についてお伝えします。

命日・お盆・お彼岸には、お仏壇にお線香をあげ鐘(りん)をならしたり、お墓参りでもお線香をあげますよね。
その度のお線香の本数や鳴らす鐘(リン)の回数に悩まないようにしましょう。

お仏壇にあげるお線香の本数は何本?

お仏壇にお線香をあげる時、毎回「何本?」と気になる人は案外多いんですよね。
一般的な決まりがあるものなのか、どうなのか・・・

そんなお線香本数についてお伝えします。

四十九日まで

四十九日までは、お線香をあげる本数は1本です。
お線香が2本では道が二筋に分かれてしまい、亡くなった方がどちらに行ったら良いのか道に迷うとされているからです。

お線香が亡くなった人を天国に導く道しるべとしの役目をしているんですね。

四十九日を過ぎると

四十九日を過ぎると、亡くなった方は最後の修行を終え天国へ旅立たれるのでもう道しるべの必要はありません。
なのでお線香も本数に制限はなくなります。

一般的にお参りの際のお線香の本数は1本~3本です。

制限はなくなると言っても、実際のところ、お線香の本数は正式には各宗派で異なり地域によっても違いがあるようです。

天台宗・真言宗

お線香の本数は、3本とされています。
これは「三宝」という、仏様、法の教え、僧、のすべてを大切にご供養するという考えによるものです。

「仏法僧の三宝」とは

仏 = 仏様
法 = その宗派
僧 = 仏様をあの世へと導いてくれたお寺の住職様

3本のお線香は自分から見て逆三角形になるようあげます。
香炉の手前に1本、奥に2本です。

浄土宗・曹洞宗・臨済宗・日蓮宗

お線香の本数は1本とされています。
お線香を立てるのは、むかし僧侶が修行する際にお線香を立て、1本が燃え尽きる間を目安として時間を計ったことに由来するともいわれています。

香炉の中央に1本立ててお供えします。

浄土真宗

お線香の本数は1本ですが香炉の立てません。
1本のお線香を香炉の幅に合わせて折り、煙の出ている側を自分から見て左になるように寝かせてお供えします。

作法について心配なとき

私は以前テレビで「仏法僧の三宝」というのを聞き妙に納得しました。

それからは、お線香をあげるときには迷うことなく常に3本立てていたのですが、実家で父の法事があった時にお線香を3本立てていたらお寺のご住職から、「線香は1本でいい。」と言われました。

その時、詳しい説明はしていただけませんでしたが、宗派によって違うという事だったのです。
ちなみに宗派は「臨済宗」確かに1本ですね。

しかし、私の嫁ぎ先のお世話になっているお寺のご住職からは、「お線香は好きな本数を上げていいですよ。肝心なのは供養するという気持ちです。」とお聞きしました。
その時、「本来お線香は煙ではなく良い香りを供えるものだから、本数を気にするより良い香のお線香を供えてあげるのがいいですね。」と教えていただきました。

このように、お線香の本数やあげ方は、「これが絶対に正しい」と言い切れるお作法は「ない」というのが実際のところかもしれません。

お線香の作法について心配なときは、お世話になっている菩提寺のご住職にお聞きしてみるのが一番よいでしょう。

ただ、他の家に訪問しお線香をあげる時などは、そこの家の宗派はわかりませんよね。
分からない場合には、いつも自分がしている方法でお線香をあげても失礼にはならないとのことです。

 ⇒ お線香をあげる意味とお仏壇への正しいあげかた 毎日あげるもの?

最近は煙だけが出る粗悪な「合成香料」のお線香も出回っているようです。
「合成香料」のお線香は喉を傷める可能性があるので、室内で使用するのは控えた方がいいですね。

主人はこの「合成香料」のお線香で実際に喉を傷め咳が止まらなくなった経験があります。

お仏壇にお線香をあげる時に鐘(リン)をならす回数は?

合掌のみでOKです。
「えっ?」と驚かれる方が多いかもしれませんが、鐘(リン)は鳴らさなくていいそうです。

私は、神社の鈴のように「自分が来たことを知らせるために鳴らす。」という風に勘違いしていました。
仏様はこちらを見ているので、仏様に対して合図のために鐘を鳴らす必要ないそうです。

鐘は読経をする時に使う道具なので、お勤めをしない時はあえて鳴らす必要のないもだったのですね。

鐘は、自分以外の人に読経の始まりの合図として鳴らし、また読経のスピードを知らせるために鳴らすのです。
1人の時でも、読経の時には作法として鐘は鳴らすそうですよ。

鐘のことも私の嫁ぎ先のお世話になっているご住職に聞いてみました。

「1回でも2回でも心を込めて鳴らすのであれば今まで通りで大丈夫です。」
大事なのは、ご先祖様や故人のことを思うことですから。」と教えていただきました。

鐘はあえてならすことはないけれど、心を込めて鳴らすのならば、1回でも2回でも3回でもいいようです。

お墓参りの際のお線香は何本あげる?

お墓参りには、墓前用として1束ごとになって販売されているお線香を使用する方が多いのではないでしょうか。
1人何本という決まりはありません。

1束そのまま火をつけてお墓参りでお線香をあげる時は、1束供えれば良いのです。

家族や複数人で行った場合などは1人1人供えなくても代表者が供えれば良いとのことです。

また、1人や少人数でお墓にお参りの行く場合、お線香は適当な本数を家から持参してお墓にあげるのでもまったく問題ありませんよ。

 ⇒ お墓参りに必要な持ち物と仕方 適した時期や時間帯と夕方はダメと言われる理由

お墓参りに行く際には忘れ物をしないように持ち物の確認をしましょう。

まとめ

お線香の本数はあげる方法は各宗派でそれぞれ異なっています。

しかし共通する点は、先祖様、仏様、故人を供養する気持ちです。
その気持ちがあれば、お線香の本数が何本でもをならす回数が何回でも、それは問題にはならないのです。

 ⇒ お墓参りに適した花の種類 造花でもいいの?値段の相場や購入場所

仏事にはいろいろとしきたりがありますが、
細かいことは気にぜず、いつも通り心をこめてご先祖様や故人にお線香をあげましょう。
仏様はいつもこちらを見ていてくれているようですよ。