切り花を長持ちさせる方法と長持ちする花の種類をお伝えします。
熱湯の湯あげは花屋さんで行われている方法ですが、10円玉を使う方法に効果は期待できないようです。
私たちの心を癒してくれる切り花を出来るだけ長持ちさせてあげましょう。
切り花を長持ちさせる方法
一年中私たちを楽しませてくれる花には、人の心を穏やかに豊かにする力を持っています。
お花はプレゼンに使ったり、頂いたり、自宅に飾るために購入したり、仏さまにお供えしたりとさまざまな場面で活躍してくれますが、いずれの時もできるだけ切り花を長持ちさせたいと思いますよね。
長持ちさせるための注意ポイントがあるんです。
確認していきましょう。
切り花を購入する時
切り花を購入する時のポイントは、新鮮な花を選ぶです。
花に限ったことではなく当たり前のことなんですが新鮮なものほど長持ちします。
信用が置ける花屋さんや販売所を日頃から探しておくと良いですよ。
【私の場合】
私は仏壇にお花をお供えすることから週に1回お花を購入しています。
幾つかのお花屋さんを試しましたが、やはりお花屋さんによってお花の持ちは違うのです。
お花を買うならここにしようと決めたお花屋さんは、
「このお花は今日来たばかりの新鮮なお花ですよ。」とか、「このお花は少し日数が経っているので安くなってます。」などと教えてくれるんです。
また、ほとんど毎回の事なんですが、「売り物には出来ないお花なので持って行って。」と素人の私には売り物でしょと思えるキレイなお花をサービスしてくれるんです。
このようなお花屋さんと親しくなれてラッキーだなぁと思っています。
お花屋さんはスーパーに置いてあるお花より高いというイメージを持ってる人もいますが、そうでもない場合もあるということをおぼえておいてくださいね。
家に切り花を飾る時
お花は購入後、家まで持ち運んでいる間に切り口が乾いていることもあるので、家に着いてそのまますぐに花瓶に生けるのではなく切り戻しや水あげを行いますしょう。
また正しい置き場所を選びましょう。
切り花が嫌う場所は、冷暖房の風が直撃するところや高温多湿の場所なんです。
冷暖房のきいた部屋に切り花を置くときは、直接風にあたらない場所を選んであげましょう。
これは切り花に限りません。
鉢植えでも同じですよ。
私たち人間と同じと考えたら簡単に置き場所を選びことが出来ますよ。
冷暖房の風に長時間当たると、私たちも身体がだるくなったり、頭痛がしたり、お腹が冷えて痛くなったり、風邪をひいてしまうこともありますもんね。
また、暖房のよく効いた部屋や日当たりの良い暑くなるリビングなど、温度の高い所では水の中の細菌が増えやすくなるので長持ちしません。
リビングのように暖かく明るい場所よりは、どちらかと言うと暗めでひんやりとした玄関などの方が切り花を長持ちさせるには適している場所といえます。
日常のお手入れ
切り花の葉がしおれてくるのは、発散する水の量に対して吸水する水の量が少ないことが原因です。
発散を少しでも防いで吸水しやすくなるお手入れの方法を紹介しますね。
【水切り】
切り花を花瓶に生ける前に、きれいな水の中で水切りをしましょう。
水切りをすることで、茎の断面が空気に触れることなく効率よく水あげを促進できます。
●毎回水切り
毎回水切りをすると効果てきめんです。
花瓶の水を取り換える時は、毎回少しでいいので、茎を水切りして茎の断面を清潔に保ちましょう。
【花瓶は清潔に】
切り花を生ける前に、花瓶の中を台所用洗剤でしっかり洗うようにしましょう。
花瓶の水を取り換える時も花瓶の中をきれいに洗い清潔に保つように心がけましょう。
水を新しくするだけではダメなんです。
特に夏などは、バクテリアの影響で日で水が腐ってしまいますよ。
【下部の葉の処理】
花瓶の水につかる部分は茎だけにして下部の葉は取り除くようにしましょう。
花瓶の水に茎の下部の葉が浸っていると、葉が腐りバクテリアが繁殖しやすくなってしまい水分がうまく花の方まで上がっていきません。
また、茎の色が変わったり茎の皮が腐ってヌルヌルした場合は、その部分をきれいに洗うか、傷んだ茎は思い切って切ってしまいましょう。
【しおれた花の処理】
しおれた花からは、エチレンというガスが出ています。
このエチレンは他の花のしおれる速度を進めてしまうので、早めに取り除くことが大事です。
忙しくて毎日お手入れが出来ない場合
様々なお手入れ方法を紹介しましたが、「忙しくて毎日そこまで手入れはできないかも?」という人や、ちょっとずぼらさんには、お花屋さんやホームセンターで売っている切り花の延命剤がおすすめです。
ただ、「この延命剤を使えば1週間は花瓶の水を取りかえなくても大丈夫なくらい。」という人もいますが、それは言い過ぎですからね。
【切り花延命剤の効果とは】
・バクテリアの繁殖を抑える働き(抗菌)をする
・界面活性剤の成分が水揚げを助ける
・栄養を補給する
・銀イオン剤入りのものは切り花の老化を防止する など
切り花が長持ちする花の種類は?
花の種類によって長持ちする期間って随分と違ってきますよ。
どのような花が比較的長持ちするのか確認し、覚えておきましょう。
●菊
菊は日本古来から存在し、日本の気候に合っている花です。
だから本当に長持ちします。
最近ではマムと呼ばれるヨーロッパで品種改良された、花の形状が変わったものがよく出回っています。
ピンポン菊という種類のまんまるい形のものや、キレイなグリーンの花でシャムロックという品種は花びらが細くシャープな印象です。
昔の菊のイメージとは違うものもあるので、飾りたいイメージに合わせていろいろ選びましょう。
●カーネーション
母の日の定番のカーネーションも切り花として本当に長持ちします。
硬く咲きそうにもないつぼみは最初に摘み取っておくことが長持ちするコツです。
●スターチス(リモニウム)
ドライフラワーとしてもよく使われる花ですが、最初からドライフラワーのようにも見えますね。
●かすみ草
フラワーアレジメントによく使われています。
このかすみ草が入ると一気に華やかになりますよね。
●ユリ
存在感があって飾っているのを見るだけで元気がでるユリは、とても水あげがよく暑い時期でも長持ちします。
つぼみが複数ついている事も多く、最後のつぼみまで開き花を楽しむことが出来ます。
さらに長持ちさせるために、百合の雄しべの部分の黄色い花粉を取りましょう。
花粉がついたままでは花も汚れ、受粉してしまうと種を作る方にエネルギーを使うため花持ちが悪くなります。
●トルコキキョウ
切り花の場合、つぼみは開かない事が多いので、出来るだけ咲いているものを選ぶのがコツです。
お花屋さんで購入する時から咲いている花は家で生けてからもずっと長く咲いたままでいるので安心してくださいね。
長持ちする花の種類を紹介していて気づきました。
これらの花のほとんどが仏花に使われる花ですね。
切り花を長持ちさせるのに熱湯を使った湯あげや10円玉に効果はあるの?
あまり聞いたことがないこの2つの方法ですが、効果があるのかないのか確認しましょう。
熱湯を使った湯あげに効果はあるの?
熱湯を使った湯あげの方法は、お花屋さんでは良く行われている方法です。
あまり一般的には知られていないので、「お花を熱湯につけて大丈夫なの?」と心配してしまうかもしれませんが、大丈夫なので安心して試してみましょう。
湯あげの原理は、茎を熱湯につけることで導管内の空気を外に押し出し、それによって導管内に水をスムーズに吸い上げるというものです。
一般的に水あげが難しいとされているバラにもこの湯あげは効果があると言われています。
だから、庭で摘んだ草花(マーガレットやヤグルマソウなど)をお部屋に活けようとしても、水をなかなか吸い上げてくれなくて、うまく活けることができないという時も、この湯あげの方法がおすすめです。
ただし、チューリップやスイセンなどの球根植物や、ガーベラなどの茎が太く水分が多い花には向いていません。
【湯あげの手順】
1. 切り花の茎の下部を20cmほど残して、葉や花は新聞紙で包みましょう。
茎がまっすぐになるようにしっかりとくるみ、蒸気が花や葉に当たらないように根元の部分をピッチリと止めます。
2. 茎の先を斜めに良く切れるハサミでスパッと切りましょう。
茎の導管の入口がつぶれてしまわないようにするという理由からです。
3. 斜めに切った茎の先を熱湯につけます。
茎の先端から空気が押し出されて、ブクブクと泡が上がってきます。
4. 茎の先を熱湯につけてゆっくりと20数えたら、あらかじめ用意しておいた冷水に勢いよく入れましょう。
深い容器を用意して、たっぷりの冷水の中になるべく立てておくことが重要なポイントです。
このままなるべく涼しい所に置いて2時間ほど経つと葉の先端までしっかりと水があがっています。
花や葉の先端にしっかり水があがってから、改めてお好みの長さに切って花瓶に生けるましょう。
10円玉に長持ちさせる効果はあるの?
花瓶の中に10円玉を入れると10円玉の銅がとけて、何もしないよりは水が腐るのを遅らせ、バクテリアの繁殖を抑える効果があるようです。
しかし、延命剤の栄養や水揚げを助ける効果はないので、普通に花瓶に生けるより少しましという程度でしょう。
花瓶に10円玉を入れる場合は1枚では全然たりませんよ。
10円玉1枚でコップ1杯分と考えましょう。
まとめ
切り花を手軽に長持ちさせるのは切り花延命剤です。
これなら忙しくお手入れができない場合も安心ですね。
しかし、時間をみつけてちょっとだけでも手間をかけてお手入れすることで、さらに切り花が長持ちしますよ。
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お花のお手入れをする事で優しい気持ちになれ、心豊かな時間を過ごすことができるでしょう。