蜂に刺された時の応急処置の方法と年配者の方から聞くことがある「アンモニア(尿)は効く」は本当なのか。
また、病院は何科を受診したら良いのかをお伝えします。
暖かくなると蜂は活動を開始します。
気をつけていても蜂に刺されてしまう事は少なくありませんよ。
蜂に刺された時の応急処置
蜂に刺された時の応急処置の4つの方法を具体的に紹介しますね。
蜂は温かくなると活動を開始します。
気をつけていても事件が起こることはあるんです。
蜂に刺されてパニックにならないよう今からしっかり確認しておきましょう。
1.速やかにその場から離れる
蜂に刺されてしまったら、誰でもビックリして騒ぎたくなりますよね。
しかし落ち着いて下さい!
大騒ぎせずに姿勢を低くして、素早くその場所から離れましょう。
目立たないようにそっとその場を離れることが重要なんです。
大声を出したり、いきなり走り出したりするのはNGですよ。
野外で刺された場合は、近くに蜂の巣がある可能性が高いので、再度刺されることを回避するためです。
蜂は、針から警報フェロモンの役割を果たす毒液(興奮物質)をまき散らして他の蜂を呼び寄せる恐れがあります。
刺された後もその場所にいるということはとても危険なことなのです。
その場所から離れる、これはできるだけ遠くにです。
最低でも20m~30mは離れましょう。
ましてや、刺した蜂がスズメバチやアシナガバチの場合は、
執念深く攻撃態勢を整えて何度も襲ってくる可能性があると言われています。
想像しただけでも怖い「ゾクッ」としちゃいますね。
蜂が寄ってきた時に、手・帽子・バッグなどで振り払うことは威嚇行為になるのでやめましょうね。
蜂に余計な刺激を与えないようにしましょう。
⇒ 蜂が人間を攻撃する理由と狙われやすい色 刺されない服装対策は?
刺されない為の服装を知っておくことも重要です。
2.傷口を洗って針を抜いて毒をしぼり出す
素早く安全な場所に逃げてきたら、刺された傷口はなるべく早く(数分以内)流水でしっかり洗い流しましょう。
この処置がとても重要です。
この処置は、蜂に刺された患部をいち早く冷やすので、腫れや痛みが和らぎ蜂の毒を薄める効果がありますよ。
ミツバチの針には、根本に毒嚢(どくのう)という毒の袋が残っていて、毒の袋をそのままにしておくと毒は体の中にどんどん入り込んじゃいますからね。
傷口に蜂の針が刺さっていたら、早目に毛抜やピンセットで抜き取りましょう。
ただしこの時、指で針を抜くのはNGです。
誤って毒嚢を押し出してしまったら大変ですからね。
その後、傷口の周囲をつまんで圧迫し毒と血を絞り出して、もう一度しっかり洗い流しておきましょう。
この時、口で毒と血を吸い出すのはNGですよ。
虫歯や歯茎などから毒が侵入し、二次被害を招く可能性があります。
3.傷口に薬を塗る
毒をしぼり出した後の傷口には、市販の虫刺され用の薬を塗ってケアしましょう。
抗ヒスタミン系成分を含むステロイド系軟膏が良いでしょう。
抗ヒスタミン成分には痒み止めの効果があって、ステロイド成分には炎症やアレルギーを抑える働きがあります。
どの薬を選んでいいのか分からない時は、ドラッグストアーの店頭で「蜂に刺された」と伝え薬を選んでもらいましょう。
4.傷口を冷やす
傷口に薬を塗ったら、濡れたタオルなどで冷やし安静にしましょう。
その後の自己判断は危険なので、できるだけ早く病院で受診しましょう。
蜂に刺されたときにアンモニア水(尿)は効くの?
昔から(特に年配者の方から)、「蜂に刺されたときは傷口にアンモニア水やアンモニア(尿)をかけるとが効く」と言われていますよね。
本当なのか疑問に思っている人はいませんか?
刺された後の傷口にアンモニア水やアンモニア(尿)をかけて蜂の毒を中和するという民間療法は全く効果なしです。
【アンモニア水】
アンモニア水の場合、薄いアンモニア水でも皮膚に塗るとかぶれやすいので要注意なんです。
【アンモニア(尿)】
アンモニア(尿)の場合、アンモニア(尿)に含まれる雑菌で、皮膚炎を引き起こす恐れがあるのでやめておきましょう。
なぜアンモニア水やアンモニア(尿)は効くと言われていたの?
昔は、蜂の毒には強い酸があると考えられていたため、アルカリ性のアンモニア水で中和できると信じられていました。
しかし後になって、蜂の毒の正体はタンパク質であることが判明し、アンモニア水やアンモニア(尿)では中和できないことがわかりました。
そもそも、排出したばかりの尿にアンモニアは含まれていません。
時間が経ち、尿素が分解されてアンモニアになるのです。
蜂に刺された時の病院は何科に行ったらいい?
症状の違いやが現れる範囲によって対応が異なります。
局所症状の場合
応急処置をした後、局所症状のみなら速やかに皮膚科を受診しましょう。
全身症状の場合
発疹・吐き気・発熱・呼吸困難・めまいなど全身症状が出た場合にはすぐに救急車を呼びましょう。
「体がなんだかおかしい・・・」と感じたら緊急を要しますからね。
最悪意識障害が起こる可能性があるので、本人だけでなく周りにいる人も体調の変化をしっかり観察してあげましょう。
アナフィラキシーショック
ミツバチなどの小さい蜂の場合は局所症状ですむ事が多いですが、毒性が強いスズメバチなどはアナフィラキシーショックになる可能性があります。
アナフィラキシーショックとは、
原因物質(アレルゲン)が体内に入ったことで抗体をすでに持っている場合に、同じアレルゲンに対して起こすアレルギー反応のことです。
抗体を持つ人でも症状の出方はそれぞれ違いがあるので、誰でも必ず2度目にショックを起こすわけではありません。
蜂に刺された約10%の人がアナフィラキシーショックになり、そのうちの約2%の人は命にかかわるレベルと言われています。
また時間的には、10分~15分以内にショック症状が始まることが多いようです。
自己判断したり、迷っている時間はありませんよ。
まとめ
気をつけていても蜂に刺されてしまう可能性は少なくありません。
不本意にも刺されてしまった時、ビックリしてどうしていいのかわからないなんて事のない様に、日頃から応急処置の方法は頭に入れておきましょう。
アンモニア水やアンモニア(尿)には何の効果もありません。
逆に、皮膚のかぶれや炎症を引き起こしてしまう可能性があります。
局所症状のみなら病院は皮膚科に受診し、全身症状が出てきた時には速やかに救急車を呼びましょう。
皮膚科に行くときには、一人で行くにはやめて運転家族や周りの方々に車の運転はお願いしましょう。
⇒ 蜂に刺された時放置しても大丈夫?お風呂やお酒はどうしたらいい?
お風呂やお酒も気になるところでしょう。