
十五夜の「月うさぎ伝説」の由来とうさぎがなぜ餅つきをしているのか、また海外でもうさぎの餅つきは登場するのかお伝えします。
子供は好奇心旺盛「お月さまにはうさぎさんがいて、十五夜になるとお餅つきをするのよ。」この言葉を信じ想像を膨らませ、「お月さまになんでうさぎがいるの?」と聞いてきます。
親はその質問に答えてあげましょう。
十五夜の「月うさぎ伝説」の由来
3歳を過ぎる頃になると子供たちは保育園や幼稚園などで、「十五夜のまんまるのお月さまにはうさぎさんがいて、お餅をついている。」というお話を先生から聞いて、
お父さんやお母さんに「お月さまの中になんでうさぎがいるの?」と質問してくるはずです。
本当に子供は好奇心旺盛です。
親は、何でだろう?なんで?なんで?と子供から質問責めになることを想定して、
「それはね・・・」と自信を持って答えてあげたいですよね。
それには、十五夜の「月うさぎの伝説」の由来を確認しておくのが一番ですよ。
インドのジャータカ神話「天空の果実」
月うさぎ伝説の由来にはいくつかの説があるのですが、インドのジャータカ神話「天空の果実」によるものがよく知られています。
3匹はいつも、「自分達が獣の姿なのはなぜなんだろう?」「前世で何か悪いことをしたからではないだろうか?」「それならば、せめて今から人の役に立つことをしよう!」こんなことをを話し合っていました。
それを見て哀れに思った御釈迦様は、御釈迦様自らがお腹を空かせた老人の姿になり3匹の前に現れます。
彼ら(さる・きつね・うさぎ)がどのように善行を行うのか試してみようとしたのです。
何も知らない3匹は、目の前の疲れ果てた老人が、「おなかがすいて動けない。何か食べ物を恵んでほしい。」と話すと、やっと人の役に立つことができると喜んで老人のために食べ物を集めに行くことにします。
さるは、木に登って木の実や果物を取り老人に差しだします。
きつねは、鳥や魚を獲って老人に捧げました。
うさぎは、一生懸命頑張ってもさるのように木の実を獲ることも、きつねのように鳥や魚を獲ることもできず、ただウロウロするばかりで何も持ってくることができません。
うさぎは、もう一度探しに行ってくるから火を焚いて待っていて欲しいと、きつねとさるに話をして出かけていきました。
しばらくすると、うさぎは手ぶらで戻ってきました。
さるときつねは手ぶらで戻ってきたうさぎを、嘘つきだと攻め立てます。
するとうさぎは、「私には食べ物を採る力がありません。何もできない私ですが、どうかこの身を食べて空腹を満たしてください。」と言って火の中に飛び込み、自分の身を老人に捧げたのです。
これを見た老人は、すぐに御釈迦様の姿に戻り、「お前達の優しい気持ちは良く解った。今度生まれ変わる時には、きっと人間にしよう。
それにしてもうさぎには可愛そうなことをした。月の中にうさぎの姿を永遠に残してやろう。」とおっしゃったのです。
こうして、うさぎの姿が月に残ることになったのです。
なんだかちょっぴり悲しいお話ですが、これで子供から「お月さまの中になんでうさぎがいるの?」と聞かれた時、お父さんもお母さんも自信を持ってお話をしてあげられますね。
今年もし、うさぎのことを聞かれなかったとしても、この「月うさぎ伝説」のお話をお月さまを見ながらお話してあげましょう。
今までとは一味違う十五夜になるでしょう。
うさぎはなぜ十五夜に餅つきをしているの?
「月うさぎの伝説」はインドのジャータカ神話「天空の果実」から、月にうさぎの姿が残ったことはわかりましたが、なぜうさぎは餅つきをしているのか確認しておきましょう。
うさぎの餅つきは中国の神話に由来しています。
古代中国では、月のうさぎは杵を持って不老不死の薬をついていると考えられていました。
これが日本に伝わってきた時に、次のようにに変化したと言われています。
不老不死の薬をつく → 餅をつく
不老不死の薬をつく → 餅をつく に変化した理由
「不老不死の薬をつく → 餅をつく」に変化した理由は、日本では満月を表す言葉に「望月(もちづき)」があります。
「望月(もちづき)」それが転じて「餅つき」になったということなのです。
また、「目の前の疲れ切った老人のために餅つきをしている。」とか、「うさぎが食べ物に困らないように餅つきをしている。」という説もあります。
日本ではその昔、お月見の行事が収穫祭であったことを考えると、お米が収穫できたことに対する感謝や喜びの意味も込められているようです。
十五夜のさぎの餅つきは海外でも登場する?
海外でも、月の模様がうさぎに見え、そのうさぎが餅つきしていると言われているのか気になりますよね。
もしかしたら、子供達からも質問されるかもしれませんよ。
月は地球に対していつも同じ面を向けて回っているので、世界中どこで見てもほぼ同じに見えますが、月の模様をどう捉えるかは国によってさまざまなようです。
日本ではほとんどの人が、月の模様といえばうさぎがお餅をつく姿を思い浮かべるでしょう。
月といったらうさぎは常識と言っても過言ではないですよね。
しかし世界各国では、
月を見る向き、その土地の自然や習慣、世界の月にまつわる民話や伝説から月の模様も次のようにいろいろなものに見られているのです。
なんだか「うさぎの餅つき」でないのが不思議ですが、どのようなものなのか確認しましょう。
●中国
・カエル
・天女
・カニ など
●ヨーロッパ
・木につながれたロバ
・キャベツ畑の泥棒
・カボチャを食べる男 など
●ヨーロッパ南部
・片腕のカニが大潮を招くように呼んでいる姿
●アメリカ
・女性の横顔
●南米
・ワニ
・トカゲ
・月の海に荷物を運ぶロバ など
●ベトナム
・大きな木とその下で休む男性
●モンゴル
・犬
●カンボジア
・菩提樹の木の根元にいる杖を持った老人
●ラオス
・おばあさんが足で踏む米つきで米を挽いている様子
●アラビア
・ライオンが吠えている姿
子供と一緒に、世界各国の月の模様を想像し、何に見えるのか語り合いながら十五夜の夜にお月見を楽しみましょう。
まとめ
秋の夜空を眺める十五夜のお月見は風情があっていいですね。
十五夜の「月うさぎ伝説」やうさぎの餅つき由来などが色々わかったことで、子供と十五夜の過ごし方が以前より楽しいものになります。
⇒ 十五夜、満月、十三夜はいつ?お供え物の意味と食事には何を食べる?
十五夜の日が晴れて、お月様の中でお餅をつくうさぎさんを是非とも探してみたいですね。